ブリキ細工のトタン屋根
三山のぼる
講談社 モーニングKC
全5巻
1巻発行日 1983/8/18

 

マモルが助手をしていた写真館は、夜、秘密の仕事をしていた。写真館のオーナー(マモルの写真の師匠でもある)が独立する際の借金で、暴力団の罠にはまってしまい、エロビデオの撮影に手を貸さざるをえなくなっていたのだ。

 

だが、その日、先生はいくら待っても来なかった。エロビデオを仕切っている暴力団の幹部から、「もう待てない。お前が撮れ」とマモルに迫り、マモルもそれを了解したのだが、そこにいたのはどう見ても未成年の女の子。

 

断固拒否したマモルは、暴力団員に物を投げつけたり、体当たりするなどして、少女を連れてなんとか逃げ出す。だが、自分の住むボロアパートに戻ると、既に表を暴力団員が固めており、マモルと少女(マミ)は行き場を失った。

 

この日、先生が夜の撮影現場に現れなかったのには、理由があった。現状維持に耐えられなくなり、本物の写真を撮るために何もかも捨てて、旅立ったのである。

マモルも「良くやってくれている」とこの日、先生から突然のボーナスを受け取っており、夜の上野駅で偶然先生と再会して、一切の事情を知ることになる。

 

だが、このことでマモルは、マミを連れて夜行列車でどこかへ行こうとしていたのをやめ、東京に残って写真家として一人前になることを心に決める。だが、師匠を失いコネもなく、これまでの経歴が「写真館の助手」では、独り立ちなどほど遠い。

 

マモルの手元にあるのは、わずかな写真機材だけ。しかし、マミというチャーミングな女の子が傍にいる。マモルの第一歩は彼女のヌード写真を撮影し、出版社に持ち込むことだった。


(漫画所持作品リスト 1360)