GS美神極楽大作戦!!
椎名高志
小学館 少年サンデーコミックス
1~5,7,9~12,14~25,27~39巻
1巻発行日 1982/4/15

「今や除霊は最先端のビジネスとなった。もはやこの日本に幽霊を住まわせる土地など無いのだ」というフレーズ、少子高齢化に人口減少に過疎化が進む現代日本においては少し違和感があるが、なにしろ昭和57年の作品である。

 

ギャラもその腕前も業界トップクラスの美神玲子。彼女が所長を務める美神除霊事務所でアルバイトをする横島忠夫の時給は250円。だが、美人でナイスバディーな所長のお傍にいたいという邪な心のため、この薄給バイトを辞められないでいる。今日も時給の安さを嘆く横島を目の前に、半日で1億円の稼ぎになったとビールをあおりつつ喜びの笑みを漏らす令子

 

第1話では、300年前に地脈に封じられた幽霊、おキヌを地縛から解放し、美神はその幽霊まで雇用してしまう。雇用条件は絶望的に酷く、日給30円である。だが、自由に動けるようになったことへの感謝の気持ちもあり、おキヌはそれで満足している。ていうか、幽霊が現金をもらって何かの役に立つのだろうか? そのあたりは作品内で一切触れられていない。

 

同業者で式神使いの六道冥子や、美神のゴーストスイーパーの師匠であるり金銭感覚の無い牧師の唐巣神父、オカルトアイテムショップ厄珍堂主人、敵役のドクターカオスなど、徐々に登場人物が整ってゆく。

 

ストーリーは悪霊と令子の戦いで、初期は主に1話完結、オチのついたギャグテイストの作品なのだが、連載が進むにつれ1話が数回にわたるようになり、中には単行本1冊で収まり切れないエピソードも登場、横島もゴーストスイーパーの能力を開花させるなど、しっかりと組み上げられた読み応えのある展開となってゆく。霊能力や呪術によるバトルも激しくなる、今風に言うと「異世界に転生」するエピソードも、チート級のオカルト技の発露もある。

 

全巻揃っているつもりだったのだが、若干抜け巻があったり、同じ巻のダブりあったり。

 


(漫画所持作品リスト 1271)