秘密探偵JA
望月三起也
集英社 ホーム社漫画文庫
1・3・4巻
1巻発行日 2000/7/23

 

タイトルは探偵だが、稼業は私立探偵とか、そういった類ではない。

スパイとか、工作員といったところだろうか。

 

大佐と呼ばれる長官の下、3人の精鋭がいて「JA」と呼ばれている。さらに下部組織があり、S1からS100までの100人のメンバーがいる。どこの国の話かと思われるだろうが、実は日本。日本秘密防衛組織J機関という。CIAやMI6を想起させる。日本に本当にこんな組織があれば、心強いのだけれど。

 

物語の舞台は香港。JAの一人である飛鳥次郎は、警察の留置場で暮らしている。喧嘩で捕まっているのだが、出入りは自由。鍵はかかっていない。檻の中は市民からの差し入れで豪華なリビングになっている。市民生活を脅かす連中を喧嘩で叩き出しているお礼だ。だが、喧嘩は喧嘩。市民に慕われ、署長からも大目に見てもらってはいるが、罪は罪なのである。

 

その香港のどこかで、「変心薬」が密造されているという。日本を脅かすこの薬の工場を叩き潰すことが次郎たちの使命だ。次郎は日本から送り込まれたSメンバーとともに、まずは工場の場所を特定するために動き始めるが、工場の場所も敵の正体も容易にはつかめない。しかも、次郎たちが目星をつけた関係者は、秘密を守るために的組織に次々殺されてゆく。常に先回りをされているのだった。そしてついに、次郎たちも敵に捕らわれてしまう。いつ命を獲られてもおかしくない状況での逆転劇の始まりだ。

 

(漫画所持作品リスト 1179)