くーすー
あおきてつお
集英社 ヤングジャンプコミックスビージャン
全2巻
1巻発行日 2009/8/24

 

沖縄の離島、宮木島。さくらは15年暮らした東京を離れ、祖父母が住むというこの島に帰ってきた。父はずいぶん前に行方不明となっており、母は病死。

実家は「ちゅらぢゅら酒造」という泡盛の造り酒屋だった。「百年たっても愛されるお酒を造りたい」。さくらは祖父や父の言葉を覚えており、帰郷後は祖父母を手伝って泡盛造りに励むつもりだった。

 

実家の場所もよく覚えていないが、「ちゅらぢゅら酒造」と言えば、誰もが知っているはずだと思っていたさくら。しかし、故郷の島に帰ったものの、その名を知る者はいなかった。

 

父が最後に仕込んだ酒が味が、さくらの記憶の底には息づいていた(当時、さくらはまだ未成年だったが)。さくらは、単なる家業手伝いではなく、その酒を蘇らせたいと思っていたのだ。それは、島の酒造りを揺るがしかねないとんでもない酒で、それが原因でさくら達親子は島を出る羽目になったのだと、後に祖父母から知らされる。

 

ようやく訪ねあてた懐かしいはずの「ちゅらぢゅら酒造」は、既に廃屋と化していた。

 

酒の飲めない美人バーテンダー秋奈、病気で味がわからなくなった元杜氏、成り行きからさくらが手伝った、無茶な桶買い(酒造の下請け)を引き受けねばならなかった小さな酒造の経営者、ちゅらぢゅら酒造の「とんでもない酒」を「盗作」して大きくなった酒造の放蕩息子、資金集めのアイディアを授けてくれた大学の先生、などなど、様々な出会いに助けられて、さくらの酒造りは第一歩を歩み始める。

 

さくらの酒造りと並行して、秋奈もバーテンダーとして成長してゆく姿も描かれる。

 

(漫画所持作品リスト 1126)