MOMO
酒井まゆ
集英社 りぼんマスコットコミックス
全7巻
1巻発行日 2009/2/18
借金取りから逃れるために、父親が逃げた。自分ひとりを残して。小田切夢、高校1年生。その日、彼女には不幸が次々とふりかかる。彼女を元気づけようと、仲の良いクラスメイトの男子、叶歌(かなか:家は洋菓子店らしい)はシュークリームをくれようとするが、躓いて地面にぶちまけてしまう。おまけにテストは解答欄にずれて記載したために合格点に達せず追試となり、憧れの先輩が顔を見せてくれたと思ったら女連れだった。不幸の連続に、夢は思う。「あの時、世界が滅びていれば良かったのに」。
「あの時」とは、ノストラダムスの大予言のことである。
そして、彼女の最大の不幸は、大魔王から地球代表に選ばれたことである。
大魔王といっても、見た目は幼女である。しかもとびっきり可愛らしい。つぶらな瞳に髪を飾る大きなリボン、縦ロール。お金がたっぷりかかっていそうな洋服まで召している。まるでお姫様。草ボーボーとなっていた丘の上の大豪邸に誰かが引っ越してきたらしいと友達の間で噂になっていたが、その主が大魔王であり、お姫様だった。大魔王は「モモ」と名乗った。
うっかり道路に飛び出して車に轢かれそうになったその幼女を助けたことがきっかけで、夢とモモは知り合った。こうしてお屋敷に招待されたまでは良かったが、夢はモモから地球代表に選ばれてしまう。
付き人の沙成の説明によると、モモの大魔王としての役目は、寿命だったり用済みだったりで、この宇宙から不要となった星を破壊すること。そして、それを避けるためには、その星の代表者がモモを7回喜ばせなくてはいけないという。期限は2年。夢は地球の運命を背負ってしまった。
たまたま苺ショートで「ひとつめの喜び」をモモに与えることができた夢は、モンブラン・ミルフィーユ・ガトーショコラなど次々ケーキを与えるが、残念ながらこれらは苺ショートと同一のものと認定されたようで、ポイントは増えない。
モモがプラネタリウムに興味を持ったため、次に夢は、家庭用のプラネタリウムをプレゼントしようとバイトに励む。父親が失踪しているため生活費も稼がねばならず、なかなかお金は貯まらない。
そこへ、地球代表の座をモモから奪おうとする級友が現れたり、大魔王モモと敵対する「魔王」が、モモを殺せばモモを7回喜ばせなくても地球は守られるとそそのかしてきたり。
妙にリアルな女子高生ライフと、地球の未来がかかったファンタジーが、ひとつの作品として織り成す痛快コメディ。地球の運命や、いかに?
(漫画所持作品リスト 1039)