夜叉少女
服部あゆみ
集英社 アイズコミックス
全1巻
発行日 1999/1/30

 

ちょっと憧れの内田先輩のことを同級生ときゃあきゃあ言う、なんて普通の女子高生をしていた葛城夕香。しかし今、同級生の美樹の血まみれの死体が目の前にある。「私が殺したの?」でも、記憶がない……。

 

公園の水道で手についた血を洗い流し、帰宅をするのだが。

 

制服を着た美樹らしい腐乱死体自宅に現れ、母親を刺し殺す。悲鳴を上げたために近所の人に見られ、「人殺し!」と叫ばれてしまう。夕香はその場を逃げるように走り去る。道路に飛び出したところで車に撥ねられ、そのまま病院へ。

 

しかし、瀕死の重傷だったはずの彼女は、4階の病室から飛び降りて、逃げる。この時点で、夕香がもはや「普通の人」ではないことが読者に示されていることになる。

 

殺人の嫌疑をかけられて、逃げ惑う夕香。彼女を追い詰める警察と、そして警察っぽいが普通じゃない連中。荒々しく捕えようとするその集団を、彼女は咄嗟に地面から引き抜いた剣で切りつけた。発砲する警察。その銃弾を浴びつつもその場を逃げた彼女を助けてくれたのは、料亭だか日本旅館だかの女将だった。

 

そうして夕香が知ったのは、自分は「夜叉」であり、「夜叉」は同時に2人が生まれる。本当の夜叉になるには、もう一人の夜叉を殺さなければならない。そして、もう一人の夜叉が、彼女が殺してしまったと思い込んでいた美樹だった。

 

容赦なく「夜叉」としての生き残りをかけて夕香を襲ってくる美樹。だが、夕香は殺し合いなどしたいとは思っていない。一方、敵対する美樹は残忍だ。

二人の夜叉にはそれぞれ、片羽の天使のような姿をしたしもべがついており、守護・協力などをしてくれる。

 

夕香と美樹の壮絶な戦いが始まった。だが、相手を殺し去ることを目的としない夕香にとって、この戦いは最初から不利な状態なのである。



(漫画所持作品リスト 987)