我が名は狼
たがみよしひさ
秋田書店 プレイコミックシリーズ
全3巻
1巻発行日 1983/8/10

狼(ウルフ)こと犬神内記は、バイクで放蕩する生活を続けていたが、父親の親友である高梨が経営するペンション「たかなし」で、居候として世話になることになる。

ペンションは高梨夫妻とその3姉妹が切り盛りしていて、人手は必要としていないので、熱烈歓迎されるわけではないが、さりとて余計な食い扶持を押し付けられたとも思ってもいないようで、なんとなく受け入れられてしまう。

そして、さっそくウルフは活躍する。自殺志願の一人旅の女性の救うのだ。ただし、その手法は、スケコマシ。さらに、男2人・女3人のグループ客には、余った女性1人い手を出す。さらにさらに、バイクで旅する一人旅の女性にまで。要するに、客としてやってきた女性に次から次へと手を出して、しかも恨まれたりすることなどなく、というかむしろ喜ばせてしまうという、なんともうらやましいシチュエーション。

 

3姉妹の長女は子連れ出戻りで、彼女もウルフを悪く思っていない。そして末娘はウルフにべた惚れ。次女には婚約者がいて、その婚約者は「たかなし」で料理人として働いているのだが、次女と婚約者が気まずくなった際にも、男女の機微に精通しているという持前の能力を発揮して、解決してしまう。

 

こんなストーリーだから、セックスシーンも多いが、エロ漫画ではないから、読者の性欲を満たすような演出はされていない。絡みの場面でもたがみ先生特有の会話が続く。そもそも、そんなに熱心にウルフは女に迫っているとは思えない流れの中で、自然と女たちが股を開くのだ。ちょっとした誘い文句は発するが、その段階で女性はもう「そうなることが前提」と言わんばかりに受け入れる。

 

本人すら気づいてないかもしれない女のその気をすかさず察知して、誘い文句を発し、次の瞬間には女もすっかりその気になっている。その気にならない女もきちんと見分け、最初から声をかけない。こんなことができる男が本当にいるのかどうか、いたとしたらぜひ、極意を学びたいものである。

 

1巻で完結だったため、1巻には巻数表示なし。その後、続編が出て計3巻。

 

(漫画所持作品リスト 857)