ラディカルCC(カップルコップ)
中垣慶
学習研究社 ノーラコミックス
全2巻
1巻発行日 1991/3/6

 

野浦凛(女)と芳賀吉樹(男)の2人の刑事を中心にした刑事ものの漫画。といっても、最近の刑事ドラマで観るような「犯人捜し」を中心に据えた展開ではなく、派手なアクションとドンパチがミモノだ。2人組で激しい銃撃戦というと「あぶない刑事」を思い出すが、自分が抱いたイメージは「西部警察」だ。こういう感想は中垣先生には不本意かもしれないとも思うけれど、自由に思考を巡らすことは読者の特権としてご容赦いただこう。

さて、この2人、普段は社(やしろ)警察署の刑事課に所属しているが、同時に県警の特別捜査官でもある。「逮捕もしくは射殺も可」という指令が出るような凶悪犯に立ち向かう。射撃の腕も良く、相手の銃口に玉を撃ち込んだりすることも。

上司の刑事課長は、特別捜査官としても上司で、射撃の腕も2人と肩を並べるが、残念ながらドンパチで活躍するシーンが無い。

凶悪犯を相手にするだけあって、凛ちゃんの妹が拉致されたり、芳賀刑事が薬物で敵の手に落ちたりなどもする。

 

港の場面が良く登場するので、舞台は横浜か神戸を連想させる。どちらの可能性が高いかというと、それはやはり中垣先生が居住する神戸だろう。だが、そうなると、社警察署というのは? この名の警察署は兵庫県に実在したが(作品発表当時は「社町」で、現在は合併して「加東市」となり、警察署も「加東警察署」となっている)、社町は海に面していない。なので、架空の地名であり、警察署であると理解するのが順当とは思うが、神戸にほど近い「社」を登場させたのには、何か理由があるのかなと思ったりもしている。

 

(漫画所持作品リスト 687)