「頭文字[イニシャル]D THE MOVIE」 | こだわりの館blog版

「頭文字[イニシャル]D THE MOVIE」

頭文字D

9/17 ユナイテッドシネマとしまえん にて


日本の漫画と香港映画、異色でありながら真っ当な結び付き…。


監督:アンドリュー・ラウ、アラン・マック
出演:ジェイ・チョウ、鈴木杏、エディソン・チャン、ショーン・ユー、アンソニー・ウォン、他


しげの秀一の人気レーシングコミック「頭文字D」を
香港映画界が原作通り日本を舞台に映画化。
原作は味読だし、香港映画もそれほどのファンではないにもかかわらず
日本の漫画を香港映画が映画化するという異色のコラボレーションと
監督が「インファナル・アフェア」シリーズのアンドリュー・ラウとアラン・マックという
この2点の興味で鑑賞しました。


  藤原拓海(ジェイ・チョウ)はとうふ屋を営む父(アンソニー・ウォン)と2人で暮らす一見平凡な高校生。
  しかし、実は拓海はかつて伝説の走り屋といわれた父親から
  とうふの配達を通じて秋名峠越えのドライビングテクニック英才教育を受けていたのだ。


原作のファンからも、香港映画ファンからも何かと小言が聞こえてきそうな作品ではありますが、
私は面白く拝見しました。
そもそも日本映画界は、日本の漫画を映像化するのが非常にヘタだと思うんですよね。
それは原作の漫画のほうがイマジネーション豊かなものだから、
映像化するときにどうしても映画は、そのイマジネーションを越えられないんですね。
だからどうしても原作のイメージを崩したくないということで
映画化の際には【アニメ】の手段を選択してしまう。
よって日本のアニメーション技術は漫画の人気と共に、ドンドン発達していった訳ですよね。

だから今回、日本の漫画を香港映画界が映画化するというのは、
一見異色でありながらある意味真っ当な結果なのかなとも思いました。
なぜなら香港映画ほど荒唐無稽な作品を数々送り出している映画界もありませんからね。
この作品も香港映画の【荒唐無稽さ】が
「原作の漫画はこんななのかな」と充分思わせる雰囲気を上手く作りだしています。
タテ・ヨコ・ナナメと画面を細かく割るカット割りなんかは“漫画のレイアウト”ですし、
唐突に出てくるギャグシーンなんかはまさに漫画の得意技ですよね。

注目の峠の走りのシーンも迫力満点で、
さすがに日本での撮影のため「同じような場所での走り」のシーンが多かったのは残念ではありますが、
日本映画ではちょっとここまでの迫力は出せなかったでしょう。
まさに香港映画の荒唐無稽さが、ここまでの迫力を生んだといっても良いでしょう。
「インファナル・アフェア」シリーズに続き、アンドリュー・ラウとアラン・マックのコンビ快進撃です。


キャストでは藤原拓海役のジェイ・チョウは表情に乏しいですが、
まあ朴訥な青年役ですからこんなもんでしょう。
それよりも「インファナル・アフェア」シリーズの俳優が続々と登場していて、
こっちのほうで興味津々。
エディソン・チャン、ショーン・ユーに“バカのキョン”のチャップマン・トウまで登場するンですから
シリーズのファンとしては嬉しいのなんの。
そしてとどめはアンソニー・ウォンの怪演!
「インファナル・アフェア」でのスーツ姿も素敵でしたが、今回のGパン姿もカッコよかった!!


最後に、私はこの作品【吹替え版】で見たのですが、
これがまた異色の雰囲気を醸し出していて思ったよりよかったです。
初めはやたらと違和感を感じていましたが、見なれてくると雰囲気はなかなかのもの。
なにやら実際の人間たちが演じる【アニメ】のようになってきて
漫画でもない、香港映画でもない、ましてやアニメでもない…
ちょっと不思議な世界を見たといった感じです。
但し、声の出演は【アニメ】の声優を使わず、
【TV映画】の吹替え陣を使った方がよかったんじゃないですかね。
声の質が、やはり実際に演技している人間の声なのですから【アニメ】とはちょっと違うと思うんですよ。
そうかといってアンソニー・ウォンの声を
広川太一朗でメチャクチャにやられても困っちゃうんですが…。


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