「ドリームキャッチャー」 | こだわりの館blog版

「ドリームキャッチャー」

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ドリームキャッチャー

8月より継続中の【真夏の夜のホラー特集】。
今週は【真夏の夜のホラー特集・番外編】の3本を取上げます。
なぜ番外編かと申しますと…
【ホラー映画】だと思って見たら【SF映画】だった3本、てな訳です。
先週といい、今週といい、だんだん趣旨からハズレ気味なんですけど
そこらへんは来週あたりに軌道修正するとして、
まずは番外編第1弾は「ドリーム・キャッチャー」であります。

“キング・オブ・ホラー”スティーブン・キング原作の映画化。
小説は【ホラー】なんでしょうけど(未読)、映画はどう見ても【SF】
…なぜこうなってしまったか、理解に苦しみます。

真夏の夜のホラー特集・番外編第1弾
2004年劇場公開作品
監督:ローレンス・カスダン
出演:モーガン・フリーマン、トーマス・ジェーン、トム・サイズモア、ジェイソン・リー、ダミアン・ルイス、他

原作本を先に読んでから映画を見て、その映画についてああだこうだ言うのは多々あれど、
映画を見てから、その原作本を無性に読みたくなったのは私にとっては稀なケース。
「ドリームキャッチャー」がまさにそれ。
映画が完全に破綻しちゃっているもので、
原作本は「ここまで酷くはないだろう」と思ってしまったが最後、
原作を無性に読みたくなってしまったのですね。

まだ原作本は手元にありませんが、
本当にお金のかかる罪作りな作品です。


  少年時代“ある秘密”を共有することで強い絆が結ばれた男の子4人。
  20年後、大人になった4人にとって“秘密から生じたパワー”は
  今では重荷として彼らにのしかかっていた。
  そんなある時、1人が交通事故で重症を負うが、
  “秘密から生じたパワー”で奇跡的に一命を取り留める。
  やがて4人は北方の森にある狩猟小屋で再会を果たす。
  それは彼らにとって毎年恒例の楽しいイベントのはずだったが…。


どうです?
ここまで読んだらどう見ても【ホラー映画】でしょ。
 4人の少年たちが共有する“ある秘密”とは?
 そして“秘密から生じたパワー”とは?
ホラー映画ファンの私としては、この前半はワクワクしながら見てました。


しかし、どうしたことでしょう。
この作品、狩猟小屋に4人が集まった途端に唐突に【SF映画】に豹変します。
モーガン・フリーマンの登場と共に【SF映画】に変わりますから、
まるで、それまでの【ホラー映画】の上映途中に
映写技師が誤ってモーガン・フリーマン主演の【SF映画】を上映してしまった
…そんな感じです。
前半でミステリアスに展開していた“ある秘密”の謎解きなどはそっちのけ、
確かに、【SF映画】の途中で取ってつけたかのごとくに謎解きは展開しますが、
何せ作品自体が【SF映画】に変っちゃて、UFOは出てくるはエイリアンは出てくるわの状況で
【ホラー映画】の謎解きなんて、本当にもうナンセンスでしかありません。


きっとスティーブン・キング原作は、
①少年時代の秘密
②大人になってから生じたパワー
③狩猟小屋での出来事
の①~③を章ごとにモザイクのように展開させているのでしょうが、
(未読のため比較は出来ず予想でしか書けませんが…)
映画では②と③を時系列に並べてしまい、間あいだで①を挿入しているものですから
②と③が全く違うジャンルの作品になってしまっているために
全然①が浮いてしまって効果的になってないんですね。


これは完全に観客にわかりやすく展開させようとした脚本の失敗だと思うんです。
監督のローレンス・カスダンは脚本家出身にもかかわらず、この失態どうしたことか!
しかも共同脚色のウィリアム・ゴールドマン「大統領の陰謀」を手掛けた名脚本家。
まさか2人、キングの原作本を前に大喧嘩したのでは、とすら思ってしまう失敗作でありました。


■せっかくだから、ここから購入しような?

  
  スティーヴン キング, Stephen King, 白石 朗
  ドリームキャッチャー〈1〉
  
  スティーヴン キング, Stephen King, 白石 朗
  ドリームキャッチャー〈2〉
  
  スティーヴン キング, Stephen King, 白石 朗
  ドリームキャッチャー〈3〉
  
  スティーヴン キング, Stephen King, 白石 朗
  ドリームキャッチャー〈4〉

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