「ロング・エンゲージメント」 | こだわりの館blog版

「ロング・エンゲージメント」

ロング・エンゲージメント

4/9 丸の内ピカデリーにて


凝った映像でつづられた戦争大河メロドラマ。
日本の昼メロTVだったら半年ぐらいは引っ張ってしまう内容でしょうね。


監督:ジャン=ピエール・ジュネ
出演:オドレイ・トトゥ、ギャスパー・ウリエル、ドミニク・ピノン、ジャン=ピエール・ベッケル、
    ドミニク・ベテンフェルド、クロヴィス・コルニヤック、チェッキー・カリョ、ジョディ・フォスター、他


この作品、監督がジャン=ピエール・ジュネ、主役がオドレイ・トトゥ
大ヒットした「アメリ」のコンビ最新作であるにもかかわらず日本での興行は大苦戦。
私が見に行った丸の内のメイン館でもメインは「エターナル・サンシャイン」になっており、
隣のサブ館での上映でありました。
まあ丸の内の映画館なので2館の大きさの差はそれほどありませんでしたから、
大画面での迫力ある映像は充分味わえましたけど、
シネコンあたりで鑑賞された方は、きっと小さな館に回されてしまったのではないでしょうか。
残念ながらこの作品、大画面で見ないことにはおもしろさも半減してしまうでしょう。
それほどこの作品は凝った映像で大々的に展開される一大メロドラマの世界なのであります。

確かに「ロング・エンゲージメント」というタイトルだけでは「何のこっちゃ?」いう感じですし、
戦争が舞台であることが何となくわかるポスターデザインもちょっと時代がかっていて、
せっかく「アメリ」で人気を呼んだコンビであるのに、「アメリ」を渋谷で熱狂的に迎えた層を
再び日本では取り込むことができなかったには何とも残念。
戦争が舞台でちょっと古臭いイメージはありますけれど、
監督のジャン=ピエール・ジュネは念願の企画の実現と言う事で
「アメリ」以上に凝りまくった映像を展開させていますし、
主役のオドレイ・トトゥなどは「アメリ」がタイムスリップしてきたかのように
同じ様なキャラを演じてましたので、作る側にとっては「アメリ」もこの「ロング・エンゲージメント」も
それほど違った作品を作った訳ではないのでしょうが、
売り方をひとつ間違えるとこうも違う結果をうんでしまうのですから
移り気激しい観客を掴む【興行】というのは本当に難しいものであります。


映画はオドレイ・トトゥ扮するマチルドが、戦場へ旅だった愛しのマネク(ギャスパー・ウリエル)の行方を終戦後、ただひたすら追いかける作品であります。
先ほども書きました通り日本の昼メロで取り上げそうな内容ですから、物語の展開は二転三転。
マチルドがマネクの行方を追うごとに【安心】【絶望】が交互に彼女に襲いかかります。
展開としては登場人物が非常に多く、中には字幕であっさりと説明されてしまう登場人物もいて、
途中見ていて登場人物がわかりづらいのが難点ではありますが、
日本のTVだったら半年間は引っ張りそうな内容を2時間ちょっとでまとめたのですから
非常に展開はスピーディで気になりません。
また作品の主はあくまでも【マチルド】と【マネク】で観る方は2人の行方を
ただひたすら追えばよいのですから!
ラストはこれはネタバレになりますので具体的には書きませんが、深い余韻を残して印象深いです。
ただし完全なハッピーエンドでないところがいかにもフランス映画っぽいですが…。


出演者ではやはり主役のオドレイ・トトゥが圧倒的存在感です。
「アメリ」から4年経つというのにちっとも印象が変わらないのがすごいですし、
彼女も時間が止まったかのように「アメリ」の頃の不思議キャラを今回も余裕で演じています。
あとはジュネ作品の常連であるドミニク・ピノンティッキー・オルガドあたりが
今回も強烈なキャラクターを演じていて存在感たっぷり。
あと是非取り上げておきたいのが次の2名。
一人はギャランティの問題か日本では一切クレジットされてませんが、
ジョディ・フォスターがフランス映画になんら違和感もなく堂々と出演しているところ。
あとは同じフランス映画界のレオス・カラックス作品で強烈な個性を見せていた
【レオス・カラックスの分身】ドニ・ラヴァンが捕虜の一人で出演。
あの衝撃的日本デビューから約20年。
すっかり“おっさん”になってしまっていて始め見た時は全くわからず、あとで出演を知り、
その変わり果てた姿にまたもや別の意味で衝撃を受けてしまいました。


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