「2046」 | こだわりの館blog版

「2046」

11/23 日劇3にて

なんだ、期待してたのに。これじゃ「花様年華」と同じじゃない。しかも見たシュチュエーションまでもが…。

監督:ウォン・カーウァイ
出演:トニー・レオン、木村拓也、チャン・ツィイー、他

近未来ラブストーリーと華々しく宣伝されていたので、さぞかしウォン・カーウァイの新機軸が見られるか、と期待をして見てみたら、何の事はない、
2000年の「花様年華」の【くっついたり離れたりの男と女の】世界を
相手役を変えて焼き直しただけではないか。

トニーレオン曰く
「(花様年華とは)役柄を変えるために口ひげを生やしました」

それって(笑)の世界ですよ。

カーウァイさん、それはないですゼ。

お目当てだった近未来のパートも使われ方が全くアンバランス。
オープンニングで思わせぶりに出てきたから「これは!」と思ったら、
早々にチャン・ツィイーのパートに占拠され
その後さっぱり出てこなくなり、
唐突に後半に出てくるからバランスが悪く、
全く1966年の世界とからまない。
もう水と油の世界なんですよ。
しかもチャン・ツィイーが近未来のパートでは何になるか期待してたら、
ナンだかわからないアンドロイドのバレリーナ(?)
「ロボコン」のロビンちゃんじゃないんだから!

結局マギー・チャンの登場の仕方に代表されるように、
カーウァイ氏はこの作品のイメージばかりが膨らみすぎ
仕舞にはまとまらなくなって撮影中断。
5年後、撮影再開したものの、
今度はイメージを編集しきれなくなり
カンヌといい、日本上映といい、
この作品全てが中途半端なものになってしまったのではないでしょうかねえ。

役者もトニー・レオンは口ひげを生やしただけだから変わりばえも無く、
木村拓也もいい様に使われてしまったなという感じ
(日本のサラリーマンの格好は良かったが…)。
まあ唯一前半のパートを独占するチャン・ツィイーだけが一人、
相変わらず魅力全開しておりましたが…。

ところで一番最初に書いた
【「花様年華」と見たシュチュエーションまでもが同じ】というのは、
実は「花様年華」も本作も

見ていて非常に眠たかったこと

もうカーウァイ氏の思わせぶりな演出に
単調な音楽は本当に眠くなります。
後半のトニー・レオンが小説を書こうとするが、
なかなか書けない(と言いたげな)あのペンが止まってるシーン。

私、はっきり言って、寝ました。