母がぽつりぽつりと話してくれた
言葉があります
眠れない
足が痛い
鼻血が出た
便秘で何日も出ていない
薬も効かない
体が思うように動かない
夜になると痛みや不安が強くなり
夜がとても長く感じるのだそうです
看護師さんから浣腸の曜日を提案され
それが怖いと話していました
本当は
痛い
苦しい
つらい
そう言いたい気持ちがあるのに
その言葉さえ口に出せない雰囲気があると
要望したいことがあっても
わがままと思われるかもしれない
迷惑をかけてしまうかもしれない
そんな思いが先に立ち
言葉を飲み込んでしまうのだそうです
こんな状態がいつまでも続いてはいけないと思うけれど
自分ではどうすることもできなくて
毎日
神様や仏様に
早く楽になりますようにと祈っていると教えてくれました
ただ
痛いまま
苦しいまま
つらい死に方はしたくないとも言います
体が少しずつ思うように動かなくなるたび
不安が不安を呼び
心が追いつかなくなることがあるそうです
それでも全部が苦しいわけではなく
美味しいご飯
外へ出かけた時間は
気晴らしになるとも話してくれました
それでも心の隅には
安らかであってほしいという願いが
消えずに残っているのだと
そんな話を聞いた日のこと
人から
今日は何をしてたの?
ドラマばかり見てるの?
と聞かれたそうです
悪い意味で言っていないのは分かっていても心が弱っていると
その言葉が重く感じてしまう日もあると
母は精一杯生きています
何もしていないわけではありません
ただ生きることそのものが
すでに全力なのだと
そばにいて感じています