『ほらお兄ちゃん!
いま暖房つけたから、奥の事務所で暖まんな!』

野寒布岬で拾われた

気付かなかったが、とてつもなく身体が冷えている

手足に至っては感覚が無い

手袋とるのにも一苦労



『お兄ちゃんどこ行く気だったの?
ウチは一泊2000円で2食つくよ。
良かったら泊まっていきな。』

『ありがとうございます。
泊まらせて頂きます。』

14:00過ぎ

まだ寝床探しには早すぎる

まだ走れるし



ただ、ほぼノンストップで走り続けて170km超

それで7時間をきっていた

何気に頑張ったかも



まぁ、一番の理由はそれではない

旅仲間はお気づきだろう

ここがクチコミだけで広まった、愛されている宿だという事を



あぁ、ここか



お声をかけて頂いてすぐわかった

人柄の良さはウワサ以上だ



受付を済ませた

『ほら着替えて早く暖まんな』

濡れた雨具を脱ぎお貸しいただいた服に着替える

暖房が暖かい

淹れて頂いたコーヒーが染み渡る

『ここにあるもの好きなだけ食べて良いからね』

遠慮していたが『ほれ』と渡してくれるので食う

あんドーナツ美味い
大福美味い

気付いたらめちゃくちゃがっついてた



…あんこ大好きなのキラキラテヘッ



いろいろ聞かれながら話していると親父さんも来た

『おう、大丈夫か?
暖まったか?』

親父さんもウワサに違わぬお人柄



親父さんは漁師で、ここは鮮魚や干物を売っている店

買ったものは隣の食堂で自分で焼いて食べられるのだ

2階が休憩スペースになっていて、そこに泊まることができる



『ゆっくり休んでいけよ。
チャリダーは身体が資本だしな。
美味いもの食わしてやっから。』



この店で働いているワタナベさんという方もきて談笑

この方もとてもいいお方

今日の仕事は終わりみたいだ



『今日の仕事終わったからちょっと出掛けてくる。
夜は酒持っていくからな。』

『はい!是非!
寝てたらたたき起こしてください!』



その後、僕の他にもう1人ネットで嗅ぎ付けてきた宿泊客
『安藤さん』

とても46歳には見えない若々しい九州の方



安藤さんと一緒に部屋に案内して貰った

広すぎる部屋

1人じゃなくて良かった



『ここにあるものは好きなように飲んで食べていいから』



すげぇ
なんでもあるな

安藤さんとお茶を飲みながら晩飯を待つ