ついに完全退院。

一時退院とは違い、病院に戻ることを考えなくて良い。


入院中に買ってくれた新しいベット、布団、当たり前にいる家族。


窓から見る景色。


全てが幸せだった。


とはいえ、何もせずに寝ているのも暇なので

書類とかの記入をしようとしたら手が震える。


まともな文字が書けない。


小学生以下の文字だ。


夜、料理をしようとすると、包丁を持つ手が震える。


長時間キッチンに立っていられない。


ここまで何もできないのか。


奥さんは無理しなくて大丈夫と言ってくれる。


でも、ただ存在するだけなら俺はいらないんじゃないか。


寝てるだけなら、病院と変わらない。


できる事を考えた。


殆ど歩けないので一人で買い物は行けない。


包丁を使わないキットを、生協で注文。





炒めるだけ、それなら作れた。


毎週生協の、チラシと睨めっこ、家族のために

何作ろうと考えるのが楽しかった。


1ヶ月後、試しに一人で買い物に行ってみた。


たった10分の道だ。今なら行けるはず。


でも、スーパーに着いたらクタクタで買い物できる状態ではなかった。


それでも気合いで買い物して帰った。


そんなある日38.5度の熱が出てしまい、それが3日続いた。


病院に電話。


「明日病院に来てください。

念のため入院の準備も、お願いします。」


はぁ、まじかよ。


熱のしんどさよりも、また病院かよという思いの方が強かった。


もう入院は嫌だ。


しかし血液検査の結果、感染症の疑いの値が高く結局入院。


はぁ、またか。


まだこの病気は俺を解放してくれないんだな。


続く。