論文(学術論文、研究論文) | 生活メモ

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日日の生活のこと、旅行の記録、読書の記録、韓国のことなどなど。2020年2月26日にコザクラインコのさくらが家族の一員になってからは、毎日さくらのことを書いています。

今日、久しぶりに書いた論文がアクセプトされました。

 

研究職についている(いた)人や博士号を持っている人以外は、論文って何かあまりわからないかもしれないので、簡単に解説します。

 

論文は研究成果をまとめた文章のことを言います。

でも、単に研究成果を書いてもそれは論文とは言いません。「雑誌」に載って初めて論文となります。

「雑誌」に載ることが決まることをアクセプトされると言います。日本語だと受理でしょうけど、普通アクセプトと言います。

 

「雑誌」も多分業界用語ですね。「雑誌」とは学術雑誌のことで、簡単に言うと論文集です。論文しか載っていません。ジャーナルと言うことも多いです。

 

論文の原稿を書いたら、雑誌に投稿します。「こんな素晴らしい論文(注. 上に書いた通りアクセプトされるまでは論文じゃないので、正式には論文の原稿;以下でも同じ)を書いたのでおたくの雑誌に載せて~」って。

投稿されると雑誌のエディタが、その論文の内容が理解できそうな人、2~3人に「うちの雑誌に載せていいか審査して~」って渡します。この審査のことを査読といい、審査する人のことを査読者といいます。

 

査読者は、雑誌にもよりますが、約1か月の時間が与えられ、その間にじっくりと原稿を読み、審査します。

審査が終わったら、審査結果をエディタに結果を送ります。

「これこれこんな手法を使って、こんなことを明らかにした論文でしたわ。」で始まって、その後は、論文内容に応じて

「このまま雑誌に載せてもええんとちゃいますか」(そのままアクセプト;私自身は経験したことがありません)

「おおよそいいけど、ちょっとだけ直さんとあきまへんわ」(マイナーリビジョン:微小修正)

「やってることはええけど、色々問題ありますな。大幅に直さな雑誌に載せたらあきまへんわ」(メジャーリビジョン:大幅修正)

「こんなん話になりまへんがな。雑誌に載せるなんてとんでもない」(リジェクト:却下)

そして、その後に、細々と質問とかコメントが書かれています。

「p. 3のL2~4:「これは明らかに~を示している」って書いてはりますけど、なんで明らかなんて言えますのん?」みたいな。

 

エディタは2~3人の査読者の査読結果を見て、どうするか判断します。

アクセプトにするか、マイナーリビジョン or メジャーリビジョンとして著者に戻すか、リジェクトにするか。

 

そして、著者に結果を伝えます。

リジェクトの場合は、「残念ながら、うちの雑誌のレベルに達してませんでしたわ。」というような内容のメールとともに査読者からの査読結果が届きます。

マイナーリビジョン or メジャーリビジョンの場合は、「メジャーリビジョン or マイナーリビジョンです。査読者のコメントや質問に一つ残らず答えて、論文書き直していついつまでに投稿してな」っていうメールが届きます。

 

マイナーリビジョン or メジャーリビジョンの場合は、

 

> p. 3のL2~4:「これは明らかに~を示している」って書いてはりますけど、なんで明らかなんて言えますのん?

確かに査読者の指摘の通り、明らかとまでは言えまへんなぁ。「これは~であることを示唆してます。」に書き換えましたわ。

 

と言う感じで、一つ一つの質問に答えて、またそれに応じて論文本文も書き換えていきます。

 

そして、査読者全員の全ての質問、コメントに答えて、またそれに応じて論文本文を書き換えたら、再び投稿します。

「査読者のコメントにしたがって書き換えましたよって、今度こそ、論文に載せてんか」

って。

 

エディタはまた査読者(普通は前回と同じ査読者)に送って、査読者はまた査読をします。そして、再び、

アクセプト、マイナーリビジョン、メジャーリビジョン、リジェクト

の判定をしてエディタに送ります。

エディタはその査読者の判定を見て、どうするか決めます。

アクセプトかリジェクトになるまでこれが繰り返されます。

 

で、アクセプトになったら、雑誌に載ります。昔は紙媒体だったので、アクセプトになった後、数ヶ月後に発行される号に載っていたのですが、最近は電子ジャーナルなので、アクセプトになったら、雑誌にのも寄りますが、数日~数週間で乗ります(webで公開されます)。