韓国語の「はい」の意味の単語네が「ネー」ではなくて「デー」に聞こえる場合があるという話。
これは、韓国語学習者「あるある」の一つです。
最近、youtubeで、この問題の動画を見たので、ちょっとブログを書くことにしました。
これがその動画
韓国人の「ね」が「で」に聞こえる理由 @ハングルにハングリーリエン
結論から言うと、この問題、韓国人には解説するの無理です。
この動画の方も問題設定を間違えていますけど、この問題は、「네がデーに聞こえる」という話であって、「네が데に聞こえる」という話ではないからです。
韓国人にとっっては、네は常に네であり、데は常に데。
「韓国人に「네」と聞こえる音域は、日本人に「ネ」と聞こえる範囲とおおよそ一致するけど、完全に一致していなくて、一部「デ」に聞こえる範囲も含まれる」という日本語の問題だと思うのです。
だから、動画の中で、この方が네と데を順番に言いながら、「今、私2つの発音言ってますからね」というところがありますが(2:32辺り~)、それはちゃんと「ネ」と「デ」に聞こえます。むしろ、このシーンは네がデに聞こえるかどうかよりも、데が「テ」だったり「デ」だったりする方が気になります。ついでに言うと、데の発音が「テ」か「デ」かも普通の韓国人に解説するのは無理だと思います。네が「ネ」か「デ」かがピュアに日本語(としての聞こえ方)の問題なのに対し、데が「テ」か「デ」かは多分、本当に発音が違う(けど普通の韓国人は知らない/意識していない)ので、ちゃんと発音について考えている(あるいは教育を受けた)韓国人なら解説できるでしょうけど。
もう一つ、この動画では、ㄴとㄷの問題だけでなく、母音のㅔにも問題があるという話で、母音がㅏなら混乱しないでしょう、というようなことも言っていますが(3:24辺り~)、それも間違い。
私は韓国語の勉強を始めた直後に、「宮廷女官チャングムの誓い」というドラマを見始めましたが、そのドラマの中で気になった単語が「ダウリ」でした。役人に向かって言う二人称らしき「ダウリ」。
このダウリがなんなのかずっと気になっていました。実は「나리」だったのですが、その事実を知っても信じられませんでした。
나리なら「ナリ」。나が長母音でも「ナーリ」。ところが、それとは似ても似つかない「ダウリ」に聞こえたので。子音も母音も違っている・・・
나리の場合、動画の方が、聞き分けやすいでしょうと言っているまさにㅏですから、ㅏであってもㄴとㄷの区別がつかないこともあるということです。
参考までに、네と데の聞こえ方の話は、tolmengiさんも昔書いてらっしゃいます。