かつみ|きっとボクは、死ぬまでアルコール依存症

かつみ|きっとボクは、死ぬまでアルコール依存症

ʅ 元ワーカーホリック・アル中 ʃ
▪️人生崩壊の瓦礫の中から見つけた「幸せの戦略」
▪️54歳|一級建築士のライフリノベーション|脱サラ〜起業
▪️腓骨神経麻痺・肝硬変・狭心症を乗り越えて
▪️病気も挫折も失敗も全部幸せの種
▪️何度失敗しても人生は必ず輝く

名前を呼ばれて、
病室のカーテンが、サッと開く。

入ってきたのは、毎朝ボクの具合を見に来る、消化器科の主治医ではありませんでした。

白衣を着た、見知らぬ医師。
その後ろには、物腰の柔らかそうなカウンセラーが続いていました。

「精神科の〇〇です」
「カウンセラーの〇〇です」

その言葉を聞いた瞬間、ボクの中に冷たい違和感が走りました。

なぜ、精神科医がここにいるのか。
ボクの病気は「肝硬変」のはずで。
非代償期、しかも末期、このままでは死ぬと言われた。

ここまですべて、肝臓の話。

そっち側の白衣の人たちはベッドの脇に立ち、ボクを見ながら、淡々と質問を始めました。

最近の気分の落ち込みについて。
夜、眠れているかどうか。
そして、どれくらいの期間、どんな風にお酒を飲んでいたのか。

正直、ボクは「自分は違う」と思っていました。

仕事はちゃんとしていたし、
酒を飲んで暴れるわけでもない。
家族に怒鳴り散らすわけでもない。
飲み過ぎで記憶がなくてもちゃんと帰れた。

だから、彼らの視線に、少し違和感があった。

質問が終わると、一枚の紙をボクの前に置かれました。
専門の問診票でした。

「最近、お酒を飲む量をコントロールできないと感じたことがありますか」
「お酒が原因で、大切な予定をキャンセルしたことがありますか」
「周囲から、お酒の量を減らすように言われたことがありますか」

四角い枠の中に、チェックを入れていく。

ペンを進めるたびに、自分が"そっち側"に分類されていく感覚。

最後に渡された、一冊のパンフレット。
表紙にハッキリと病名が印刷されていました。

「アルコール依存症」

えっ!?アル中?

病室は、相変わらず静かでした。

点滴も、
廊下の足音も、
昨日と何も変わりません。

ただ、ベッドの横の棚に、そのパンフレットだけが置かれていました。

ボクは
「アルコール依存症」