進まない案件の正体
「まずは試しに1記事書いてみましょう」
試しの1記事に、3ヶ月半。
時間の感覚は、静かに歪んでいった。
構成を出し、記事を書き、納品する。
作業自体はスムーズだった。
しかし、最初のフィードバックが返ってくるまでに1ヶ月半。
修正内容は、30分もかからなかった。
すぐに対応して再提出。
そこからさらに、担当者確認、社長確認。
公開まで、合計約3ヶ月半。
数字だけ見ると静かだ。
でも体感はまったく静かじゃない。
「今どの段階なんだろう」
「止まっているのはどこだろう」
進捗くらいしてよね。
愚痴を飲み込み、丁寧な言葉に変えて送った。
同じ3ヶ月半で、私は別案件で50本を書いていた。
・ブログ1本:3ヶ月半
・別案件:同期間で50本
同じ時間を使っている。
それでも生まれる、圧倒的なスピード差。
この瞬間、ひとつの事実だけははっきりした。
原因は、私ではなかった
結果、3月から11月までの8ヶ月で2本。
その2記事目も、ほぼ同じ流れだった。
・構成確認:2週間
・執筆:2時間
・アイキャッチ制作:1週間(先方都合)
・最終確認:約2ヶ月
その間に私は、
別案件で100本以上の記事を納品していた。
なぜ、こんなに違うのか。
疑問は違和感に変わり、やがて分析に変わった。
修正が長いのではない
後から振り返ると、特徴は明確だった。
- ゴールが途中で動く
- 判断する人が複数いる
- 「正解」が社内で共有されていない
- 修正が品質向上ではなく、合意形成の手段になっている
問題は修正の量ではなかった。
判断する人のリソースと優先順位の問題だった。
修正後、それを確認する時間が確保されない。
だから止まる。
私の納品物はコンテンツであると同時に、
その会社の中では優先度が高くなかったということだ。
3ヶ月半で1本。
同期間で50本。
この差は、努力では埋まらない。
根性でも解決しない。
構造が違えば、結果は変わる。
そして何より重要なのは、
自分を責めなくていいという事実だった。
確かに消耗はした。
でも、無駄ではなかった。
書き手としての8ヶ月ではない。
構造を見る目を手に入れた8ヶ月だった。
後編へ。





