雲ひとつない透き通る様な水色とジリジリと肌を焼くような白が見事に衝突している。
どれだけ目を凝らそうともその地平線は恒久的に広がり、未だに色合いの変化を持たせないでいる。
ポタポタと額から貴重な水分が流れ、地面の砂がすうっと吸収していく様子をただただ歩きながら見ていた。
「もう少しだぞ。パリー。」
隣にいる相棒でもある狼の「パリー」もさすがに長時間の移動で、疲れているように見える。
ここは砂原。
乾ききった空気と反射する日光で動植物が生存するには厳しい地帯だ。
遡ること3日前。
自宅付近の湖でモンスターの大群に追われ、簡素ではあるが人ひとりと1匹が暮らすには十分の家から最低限の荷物を急いで持ち、逃げ続け今に至るわけだ。
「やっぱコンパス持ってくるべきだったかぁ・・・」
急いでいたとはいえ、自宅を離れるのであれば必須ツールであることは明白だ。
自分への情けなさで半ば自宅に帰ることを諦め、砂原を越えた処にある「ツユ村」へ進んでいるところだ。
その村の情報は人づてでしか聞いたことがないが、聞く話によるととても住み心地がよく、繁栄度もそこそこだという。
「野宿はもうそろそろキツいよなぁ・・・」
くぅーんとしか言わないパリーに軽く微笑みかけざくっざくっ・・・と地面を強く踏みしめ歩く速度を速めた。
太陽が地平線に吸い込まれ、鮮やかな赤と黒のコントラストが綺麗に見える頃、今まで前方には空と地面の境しか目視することが出来なかった景色から、ポツ、ポツ・・・と人工的な作りの建物が見えてきた。
「着いたぁ・・・着いたぞパリー・・・」
ゆっくりと安堵の気持ちに浸りながら俺は「ツユ村」に足を踏み入れた・・・
どれだけ目を凝らそうともその地平線は恒久的に広がり、未だに色合いの変化を持たせないでいる。
ポタポタと額から貴重な水分が流れ、地面の砂がすうっと吸収していく様子をただただ歩きながら見ていた。
「もう少しだぞ。パリー。」
隣にいる相棒でもある狼の「パリー」もさすがに長時間の移動で、疲れているように見える。
ここは砂原。
乾ききった空気と反射する日光で動植物が生存するには厳しい地帯だ。
遡ること3日前。
自宅付近の湖でモンスターの大群に追われ、簡素ではあるが人ひとりと1匹が暮らすには十分の家から最低限の荷物を急いで持ち、逃げ続け今に至るわけだ。
「やっぱコンパス持ってくるべきだったかぁ・・・」
急いでいたとはいえ、自宅を離れるのであれば必須ツールであることは明白だ。
自分への情けなさで半ば自宅に帰ることを諦め、砂原を越えた処にある「ツユ村」へ進んでいるところだ。
その村の情報は人づてでしか聞いたことがないが、聞く話によるととても住み心地がよく、繁栄度もそこそこだという。
「野宿はもうそろそろキツいよなぁ・・・」
くぅーんとしか言わないパリーに軽く微笑みかけざくっざくっ・・・と地面を強く踏みしめ歩く速度を速めた。
太陽が地平線に吸い込まれ、鮮やかな赤と黒のコントラストが綺麗に見える頃、今まで前方には空と地面の境しか目視することが出来なかった景色から、ポツ、ポツ・・・と人工的な作りの建物が見えてきた。
「着いたぁ・・・着いたぞパリー・・・」
ゆっくりと安堵の気持ちに浸りながら俺は「ツユ村」に足を踏み入れた・・・