会社が上場した年の終わりに、退職しました

 

今度は、もう2度と戻らない覚悟で

 

というのも、当時の社長が、

上場前に自分自身で判断し、退職していたからです

 

60歳になったら退職しようと決めていたらしく、

実際は、上場の準備の関係で62歳になっていましたが、

自分で創った会社を、子供でもない他人に引き継いで退職しました

 

完全に組織化され、マニュアルと規則でガチガチになった会社、

そして、それまでの古い従業員もほとんど去り、

私を優遇してくれていた社長も去り、

全く見知らぬ会社となっていました

 

上場企業になるという事は、そういう事かもしれません

 

しかし、食に関係する会社は、トップの人間が常に店舗に目を配り、

食材などを吟味して、

そして、お客様だけではなく、従業員に対しても、

温かみのあるおもてなしの心、気づかいの心を失くしてはいけない

というのが、前社長の、信条でした

 

それらが、どんどん失われていく様を見ていて、

自分の居場所はここではないと、感じていました

 

 

丁度そんな時、ヘッドハンティングというほどではないですが、

先代の社長の知り合いの関係で、

大きな仕事の話しが舞い込んできました

 

それは、東京での仕事

東京で、大型店舗(パブレストラン)立ち上げの仕事でした

 

見知らぬ土地で、しかも花の東京で仕事をするという、

不安でしたが、とても、刺激的で魅力的なお話し

 

年俸も今までと同じだけ頂けるという事で

ついに、決断して、退職しました

39歳の秋の事でした

 

オープンは、翌年3月予定

 

本格的な仕事は、翌年から始まるので、それまでの期間、

これから一緒に働く、メインとなる人達との交流や、打ち合わせを兼ねて、

各地の旅館・ホテルに泊まり、レストランを食べ歩き、

視察旅行、勉強会を連日行っていました

 

そして、色々と面倒をかけ、苦労させた母に、

親孝行旅行で、香港やハワイなどにも行きました

 

この期間は、本当に楽しかったニコニコ

 

 

そして、追記しておくと、

それまで勤めていた会社は、

数年後、他の企業に買収(M&A)され、

今では、当時の社名も店名もなくなりましたアセアセ

 

当然、株価も、私が売った上場当時の価格の半額に

 

少し胸が痛みます