妹が母の付き添いに来てくれたので、私は久しぶりに彼と会い、
街中で買い物をして、外食をしました
この時に入ったレストランで、ある女性を見ました
その女性はかなりのお歳で、老女いう雰囲気
首が前にカクンと倒れたような姿勢で、
腰も折れ曲がり、歩くのもおぼつかない様子でした
そう、まるで今の母の状態のようでした
この老女は、一人で寂しく食事をしていました
実際は寂しくなかったのかもしれませんが、
私には、とても悲しそうにみえました
母の姿がオーバーラップして、その老女から目が離せず、
涙が溢れてきました
母は、こうやって外で一人で食事をする事は、
これからは絶対にないだろうなあ
(これまでも、母は一人で外食をした事はなかったけど)
この強い老女と、そしてか弱い母
見た感じは同じような状態なのに・・
などと、色々と考えさせられました
クリスマス・イブの日
母の病室に、叔母や妹、姪たちが集まり、
叔母が買ってきてくれたケーキを皆で食べました
ケーキはほとんど食べれなかったけど、
やっと、母の顔にも笑顔が出てきて、
表情が表れるようになっていました
そんな楽しかったイブの日から何日か後の夕方、
また仕事帰りに病室を訪ねると、
母は、部屋の隅にあるソファから頭を下にして、
半分ずり落ちた状態になっていました
私が駆け寄ると、母はか細い声で、「助けて」
座っている内に、バランスを崩して倒れてしまったようでした
この間、誰も部屋を訪れず、午後からずっとこの状態だったようで、
私は頭にきてしまい、とうとう決心しました
”やっぱり、退院させよう”
もう、暮れも押し迫っていました
もっと早く決心するべきでした