よくお金を稼ぐ方法や、
ビジネスのノウハウなどで
「これだけやっていれば良い」
「この方法を真似するだけで成功する」
「1日の作業はたった〇時間だけで」
「誰でもできる」
などというセールスの言葉があります。
何も知らないと、
そんな稼ぐ方法あるのかと
口車に乗せられてしまいますが、
結論を先に言えば、
こういった話は100%ないと言って良いです。
実際のところ、
確かに物理的な仕事をしている時間は
1日に30分だけとか、2時間だけとか、
かもしれませんが、
その30分とか、2時間で済ませらるだけの
仕事のスキルを身に付けるには
やはり
何か月も何年もかかって
習得しなければいけない
というのが現実です。
そうした修練の時間というものを
セールストークやライティングには
一切入れないわけですから、
商売とは恐ろしいものだなと
つくづく感じます。
たとえば、
私のようにイラストを描く
という仕事で言えば、
簡単なカットくらいなら
数分で仕上げることができます。
しかし、
1点の絵を数分で仕上げられるのは、
それまでに
何百枚も絵を描いて身に付けた
手の動きであったり、
着色の技術や、パソコンのアプリを
使いこなすだけの習得時間も
そこに至るまで
何年もかかっているわけです。
自分のタッチを
確立することについては
十何年もかかる場合だってあります。
それを
「イラストレーターという仕事は
たった数分で何万円のお金を
稼ぐことができるんです!」
と、いってそのノウハウを教える
商材やプログラムに
何十万円という金額をつけて
売っているようなものが
今流行りの
セールス方法ですよね。
どんなものでも本当の成功を
手に入れようとしたら、
総合的な力をつけるようにしないと
うまくいきません。
私のように絵を描く仕事だからといって
単に絵の技術だけ磨いていれば良いと
というわけではなく、
絵を活用して、人のお役に立てることは
何かないだろうかと
常に世の中に関心を持って
情報にアンテナを張る
「情報収集力」
も大事です。
また、依頼を受けたときの
依頼人の考えていることが
まったくわからないようでは
仕事がうまくいきません。
ですから、
相手の潜在的ニーズを見抜く力、
「洞察力・推察力」
という力も必要です。
また相手の職業や思いについて
疎いようでは、
本当に人の心をつかむ
仕事はできるものではありません。
「他人に対する関心」
ですね。
「コミュニケーション力」
についてもそうです。
絵がうまいだけで
人とのコミュニケーションが
上手くとれないと
「営業」や「販売力」の欠如と、
機会損失にもつながります。
まあ、ここはクリエイティブなタイプが
一番苦手な能力であることが多いですが、
そのように、
仕事は、いくら専門性の高い仕事が
ずば抜けてできたとしても、
本当はその能力だけで
成り立っているわけではありません。
そこが他人や外部からは
どうしても見えないところなのです。
絵を描く仕事であっても、
絵だけ描ければ良いのではなく
結局、中道(総合力)で、
人としてあらゆる面で
一定以上レベルの能力がないと
やっていけません。
(専門の)仕事がいくらできても
性格が悪くて自己中心的な人は
必ず干されます。
こうして見てみると、
世の中には、
「これさえやっていれば良い」
ということは
ありえないということが
わかりますよね。
やはりすべて中道で、
専門以外やメインの仕事以外についても、
一定以上のスキルを
持っておかなければ
何1つとして成り立たないのです。
ビジネスも人生も「中道」
つまり「総合力」が
悟りの極致ではないでしょうか。
「誰でもこれを真似すれば同じ結果が出る」
これも、一見
ただ真似するだけで良いわけだから
同じ結果が出ないわけがない
と、考えがちですが、
現実を見ると
そんなシンプルなビジネスノウハウでも
成功できない人も当然いるわけですね。
と、いうことは
「ただ真似するということが、いかに難しいことか」
ということを
現実が物語っているのです。
人間をモノやロボットとして
考えれば、
これをこの通りにやればいいだけ
と考えがちです。
「なぜできないんだ?なぜやらない?」
と先生や、そのやり方を推奨している人は
思うでしょう。
しかし、
たとえばダンスで、
「先生の真似をして踊るだけで
みんなうまく踊れます」
と言われても実際どうでしょうか。
先生の真似を
生徒が真似しようとしても、
まったく同じに真似ができるでしょうか。
いかに簡単なステップでさえも、
真似できないことは
いくらでもあります。
特に初心者であれば、
バラバラな動きをしてしまいます。
そもそも、
体力がついていけない人もいます。
身体が固い、柔らかい、リズム感など
みんな個性と基礎能力も違います。
さらに、
そのダンスが楽しいと思える人でなければ
真似して踊ること自体が
苦痛となってやれないわけです。
ですから、「誰でも真似するだけでうまくいく」
というのも、その前段階として
真似できるかどうかの素養が試されます。
つまり
「真似ができればうまくいくが、誰でも真似できるかどうかはわからない」
というのが実際です。
こうしてみると本当に
極端や極論的なものに真理はない
ということが
ビジネスの世界でも
つくづくいえるなぁと感じます。
やはり自分に合う生き方というものが
それぞれあり、
それには、まず自分を知ること。
そして自分を知ると、不思議と
他人のこともわかってくるようになるんですね。
自分の得意分野を誰にも負けないくらい磨いて、
かつ自分の不得意分野も一定以上のレベルを保持する。
凡事徹底という言葉も
最近流行していますが、
どんなに苦手なことでも基礎、基本をコツコツ
時間をかけてでも確実に身に付けていくことが
大事ですね。
この中道の考え方が鉾と盾となって
人生を戦い続けていける
王道のスタイルといえるでしょう。
