感想


心は動かされたし、面白かったけれどどこまでが事実なのだろう。


こんな綺麗事は実際にはないのだろうと思うとすんなり受け止めにくい結末ではあったが、いついかなるときも自分として納得のいく生き方を貫くかっこよさは私の人生観に少なからずとも影響を与えた。


絶対に死にたくないと願った男は生き残るためにパイロットとしての腕を磨き続けた。


それなのに、熟練のパイロットだからこそ自分が運良く生き残れることを知ってしまい、そのチャンスを部下に渡して結局は死んでしまう。


どんなに苦しくて悔しかっただろう。


でも、きっと彼は後悔はしていないように思う。


自分が死んだあとは嫁と子供を部下に託すという手紙を残し、どんな形でも戻ってくるという約束を果たした。


自分自身と、愛する家族と、かつて命をかけて自分を守ってくれた部下、誰にも嘘はつかず自分なりの正義を貫き通して死んでいった宮部久蔵に心底惚れてしまった。


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