コンサルティングの現場では、クライアントとの限られた時間の中で、いかに深く本質的な議論ができるかが重要です。そのために、話の流れを整理し、要点を的確に共有する板書は、非常に有効なツールとなります。
「上田さんは、どうしてあんなに素早く、的確に議論を整理できるんですか?」
コンサルティングの現場で、クライアントからよくいただく質問です。
本日は、私がコンサルティングの現場で実践している、議論の質を劇的に向上させる板書術について、その秘訣を公開します。
コンサル現場で差がつく板書術:核となる技術の深掘り
私の板書術の核心は、単なる記録を超え、議論を「構造化」し、「可視化」する独自の技術体系にあります。それは、クライアントとの対話から真の課題を抽出し、共有するための、精密かつ創造的なプロセスです。
まず、「マインドマップを活用した『本質』キーワード抽出」では、クライアントの発言を深く傾聴し、その背後にある意図、感情、文脈を徹底的に理解することから始めます。議論の表面的な言葉に留まらず、その根底にある「本質」を捉え、構造化に不可欠なキーワードを選び抜きます。これらのキーワードは、単に名詞に限定されず、議論の核心を突く動詞や形容詞も含まれます。
次に、「単語と単語のつながりで『構造化』する技術」では、抽出されたキーワードを論理的な線で繋ぎ合わせ、議論の全体像を視覚的に表現します。キーワード間の関係性を、「原因と結果」「要素と全体」「目的と手段」といった明確な繋がりとして示すことで、複雑な議論も一目で理解できる「構造」として把握できるようになります。このプロセスを通じて、議論の抜け漏れや重複を防ぎ、より深い洞察を促します。
そして、「キーワードをリアルタイムで『記録・文書化』する同時処理」では、議論の要点を記録しながら、その場で構造を把握し、必要に応じて文章化します。構造化した情報を基に、議論のポイント、論点、決定事項などを明確に記録し、クライアントが後で振り返ることができるようにします。この「見える化」により、クライアントとの共通認識を深め、認識のズレを防ぎ、議論の成果を最大化します。
これらの技術を組み合わせることで、議論の内容をリアルタイムで整理し、クライアントの思考を深め、合意形成を促進します。私の板書術は、単に情報を記録するだけでなく、議論を「構造化」し、「可視化」することで、コンサルティングの質を飛躍的に向上させるための強力なツールなのです。
コンサル現場で役立つ板書術習得の3つのステージ
コンサルティングの現場で役立つ板書術を習得するためには、以下の3つのステージを段階的にトレーニングすることが重要です。
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クライアントの言葉から本質を理解し、キーワードを引き出す:
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まずは、クライアントの話を深く理解し、議論の本質を突くキーワードを抽出する力を養います。
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議論の構造をキーワードで表現する:
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抽出したキーワードを、マインドマップやメモに記録し、議論の構造を整理する練習をします。
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議論の要点を文章化し、クライアントに共有する:
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記録したキーワードを、文章として組み立て、クライアントに議論の要点を共有する練習をします。
コンサル現場で即使えるトレーニング方法
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実際のコンサルティング事例を用いたキーワード抽出トレーニング:
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過去のコンサルティング事例の動画や音声を聞き、議論の本質を突くキーワードをマインドマップにまとめる練習をします。
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クライアントへの報告書作成を想定した文書化トレーニング:
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コンサルティングで出たキーワードを使い、クライアントへの報告書を作成する練習をします。
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トレーニング期間の目安:
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コンサルティングに特化した板書術は、マインドマップの基礎があれば、約3ヶ月のトレーニングで習得可能です。
コンサル現場での板書術の応用
板書術は、コンサルティングのあらゆる場面で活用できます。
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初回ヒアリング:
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クライアントの課題を整理し、共有する。
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課題分析:
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議論の構造を可視化し、本質的な課題を明確にする。
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解決策の提案:
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提案内容を整理し、クライアントの理解を促進する。
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進捗管理:
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プロジェクトの進捗状況を共有し、関係者間の認識を一致させる。
読者へのメッセージ
コンサルティングの現場で差がつく板書術を習得することで、クライアントとの議論をより深く、本質的なものにすることができます。ぜひ、コンサルティング事例を活用したトレーニングに挑戦してみてください。
著者プロフィール
上田誠司:聞くプロコンサルタント。3万人が受講した傾聴コミュニケーション「Mindwork」をベースに、経営者の「考える時間」と「ホームドクター」として、本質的な課題解決をサポートしています。
関連講座:聴くプロコンサルタント養成講座、Mindwork企業研修