この本はスゴイ!世界の見方が変わります。 | Mr.資金繰り表 税理士コンドウマナブ

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税理士、資金繰り表ドットコム代表、マイケルEガーバー認定ファシリテーター、マインドマップ公認インストラクター、翻訳家、ボードゲームデザイナーと色々やってます。

世界を実質的に支配しているのは誰か?

これを陰謀論と呼ぶことも多いですが、著者は元ウクライナ・モルドバ大使で正真正銘の外交官ですので、胡散臭さとは無縁の論理的な内容になっています。

ドルを発行するFRB(連邦準備制度)は、政府は全く出資しておらず英米の銀行が株主です。
FRBがドルを発行するときには、アメリカ政府から国債を引き受けるのでドルを刷れば刷るほど金利で儲かります。

米英戦争も南北戦争もケネディー暗殺も、実は、イギリス銀行家のアメリカでの通貨発行権と強く関係しているとの歴史観が説明されています。リンカーンもケネディーも独自の政府通貨を発行した後に暗殺されてるとのこと。それをされると銀行家は巨大な利権を失います。

またアメリカの外交政策を実質的に決定している、民間シンクタンクCFR(外交問題評議会)はモルガン財閥やロックフェラー財閥により設立されています。

つまり実質的に、英米のユダヤ系金融資本がアメリカを牛耳り世界を動かしているということは陰謀論を持ち出すまでもなく分かりやすい事実です。アメリカ大統領は実質的な力を持っていないということです。つまりテサキ。

この本を読んで驚いたことは、資本主義の権化のようなユダヤ金融資本と共産主義者が、めざすところは同じ国境の無い世界だということ。いわゆるグローバリズムです。

グローバリズムの目標は、国境のない世界。ジョンレノンがイマジンで歌った人類にとっての理想郷ではなく、彼らが自由に金儲けをできる世界です。元々国を持たないユダヤの民にとっては、自然なことなのかも知れません。実現されるのは理想郷ではなく強烈な格差社会です。

中華人民共和国はアメリカが毛沢東を支援してつくり出し、脆弱なソ連を実はアメリが裏で資金援助して冷戦という虚構をつくりあげた。金融資本家たちは勿論、ロシアでも中国でも大儲けしてます。

などなど、お金を中心に世界を見た、わたしたちが常識として知っている世界史とは全く違う次元の話が書かれています。

とにかくアメリカが、民主化、民営化、規制緩和と言い出すと危ない。金融資本が儲けやすくするための耳障りの良い言葉です。東欧や中東の民主化の裏では巨大な資金をバックにNGOが動いています。

グローバリズムに支配されるアメリカが、一番手強く思ってるのはナショナリズムが残る日本とロシアのようです。

ウクライナ情勢も、プーチンつぶしと考えれば筋書きが見えてきます。

日本は、小泉政権の時代、わけのわからないまま郵政が民営化され日本的な労働慣習も破壊されてゆきました。

これからTPPや移民受け入れなど、日本のナショナリズムを破壊しようとする動きがでてくると思いますが、冷静に対処してゆく必要があると思います。

とにかくあまりにも話が凄すぎて世界情勢に関する見方が一変しますので、ご一読をおすすめします。

国難の正体――日本が生き残るための「世界史」/馬渕睦夫

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