さて、ネパール暮らしも3年目に突入しました。

 

ネパール大好き?と聞かれると、即答出来ない自分もいます。ネパールに是非遊びにおいでよ!と自分から招待しづらい自分もいます。

 

決して、楽しい!きれい!美しい!ワンダーランド的な要素を持つ国ではなく、もっともっと、なんていうか、一筋縄ではいかない人間臭さというか、泥臭さというか、深い深い濃厚な国です。

 

ブログはじめるぞ!と思い始めてからほとんどUPすることもなく、あっという間に2年経過してしまいました。その理由は、ネタがないとかいうことではないんです。

 

色々な出来事が怒涛の如く、濃厚で色彩豊かに、それも(精神的に)粘着質に次から次へと起こる、といったらいいのでしょうか。それを言葉で表現しようと脳が活動を始める前に、次の濃厚なことが起こり・・・ブログに辿り着かなかったという感じです。

 

2年たちようやく生活のペースがつかめてきて、言葉で伝える余裕が生まれてきた気配です。日々の、こんなことってあるのねー的な驚きや、へえ、そうなんだあ。そうきましたか、の目からウロコな出来事、なんなんだこれは!的なクスッと笑ってしまうことをお伝え出来たらと思います。

 

うーむ、そう書いていたら、ネパールもかなりのワンダーランドですね。

 

 

 

さっそく昨日の出来事。

 

この国では水道水は信頼に値するきれいでないもの、飲料水は別で、というのが常識です。

 

シンガポールでも、そして日本でも東京なんかでは、水道水を直接飲んでいませんでした。

 

この国ではさらに一歩いって、ゆでた蕎麦を冷やすのも、ゆで卵をゆでる水も、ご飯をたく水も、飲料水タンクからその都度供給します。

 

日本ではお馴染みの流水でしめる系の料理がとんと見られないのも納得です。

 

歯磨きもうがいも、口にするものは飲料水のタンクから。一度考え事をしていたときに、誤って歯ブラシを水道水ですすいで口に入れてしまいました。それが原因だったかわかりませんが、その後しばらくトイレとトイレットペーパーお世話になりました。なので気をつけています。

 

慣れてはきましたが、何でもかんでも水道水が当たり前の、極楽のような国の生活を知る私たちとしては、やっぱり面倒です。

 

野菜や果物も、生で食べるものはもちろん、飲料水タンクの水で洗います。さらにその前に、ベジウォッシュという野菜用洗剤に数分つけて汚れや泥や雑菌を取ります。これまた日本の暮らしにはないプロセスなので、必須だとはいえ面倒です。なんでもかんでも蛇口をひねって信用できる水が出てくる、日本って本当に極楽です。なんてめぐまれているんだと、日本帰省のたびに泣きそうになっちゃいます。

 

ベジウォッシュというのは、実は「酢」だったということを友人から聞いてからは、安い酢を買ってそれで代用しています。お料理に使う酢は、もう少ししっかりしたものを買っていますが。

 

さて、昨夜はその「安い酢」が少なくなってきたのでスーパーに行きました。スーパーといっても、日本のスーパーとは似てもにつかない、これも話をしたら長くなるので今回は割愛しますが、要はいろんな調味料や食べられるものが売っている、地域ではもっとも品揃えが多い店に行きました。

 

あれ、油はあるけど、酢はないなあ。どこの列かなあ。

 

夫と手分けをしてウロウロしたけど見つからない。

 

店員さんに聞いてみたら、「酢はないよ」「へ!?」

 

酢がない食料品店なんて、想像したことすらなかった。しかもこの規模の店で。

 

「酢がないの?」

 

「ない。りんご酢ならあるよ」

 

りんご酢ならうちにもある。

 

混乱した私は、「酢がもともとないの?それとも売り切れ?」

 

「売り切れだよ」

 

店員さんは、ちっとも気にしている様子もない。この雰囲気、すごいネパール。

 

「酢、ないんだぁ…。酢がない店もあるんだね…、ていうか酢って売り切れるものなんだね…」と、狐ににつままれたようにつぶやきながら夫と帰宅しました。

 

普段私たちが当たり前だと思っていることは、ところ変われば決して当たり前じゃないんだなあ。