開け!サードアイ | 雨のあとのにおい

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トグロを巻いて煙が昇っていく.

高く高く高く.

何千メートル上空,その粒子はキラキラと吸い込まれていく.

果ての果てへ.


風の層が何十にも重なって,それはまるで色がついているみたいに.

光が降りてきて回りが明るくなって真っ白になって,

ぶるぶると震えている.

それは恐怖か,歓喜か.

風がただ吹いている,吹き付けている.


絡まった蔓が縛る,きつく.

棘だらけの蔓はすでに褐色で,今にも外れそうで,

でもそう簡単には外せないでいる.

もう縛られたくはないのに,それは簡単に傷つける.

もういらないのに,残骸になっても傷つけ続ける.

縛られていることに忘れていても,

蔓に絡め取られたままそのなかでもがいているだけだ.

美しい魂は茨の中で眠ったまま,目覚めの時を待ち続けている.


三番目の目はすべてを見通している.

煙に巻かれた存在を,風を起こす存在を,茨の中に眠る誰かを,

それらの存在がただ存在することを,

意味などない,ただそこに在るということを,

三番目の目は静かに見ている.

冷え切った眼差しで,ナイフで切りとるように,小さな恒星のように.