Doesn't have a point of view.
すぐにでも取り掛からなければいけないものがそばにあるのに,
べつのことについつい時間を費やしてしまうのは昔からの癖だ.
来週火曜日に締め切りが迫っているものがあって,それにはまだほとんど手をつけていないのに,
この間買った本や音楽だけでなく,本棚で眠っていたように見えるさまざまな本も気になってしまっている.
覚悟を決め,それらを振り切ってようやくパソコンの前に座ったものの,気に入りのページをちらり,
ニュースをちらり,そうしていま文章を打ち込んでいる.
指慣らしにはなるんじゃないかな,そんな軽い気持ちでいるうちに時間は過ぎていく.
毎日毎日考えていることはあって,でもいつの間にか忘れている.
備忘録っていうのもあるみたいだけど,言葉の響きが貧乏くさいので気に入らない.
忘れていいことを覚えていて,忘れてはいけないことを忘れてしまう.
忘れなきゃいけないことは,どうしても体の奥に残っているようだ.
最近とても小さな頃のこと,幼稚園の頃のことなんかを不意に思い出して,
あんなに小さかった頃の自分と今の自分が連続しているという,
ただそのことを不思議に思えてしまった自分に少しだけ悲しくなった.
いつの間にか忘れてしまった感覚や気持ち,思い出も自分の身体のどこかには
きちんと仕舞われている,そう思っていたはずなのに,
小さな頃のことを覚えている自分に驚いてしまうなんて,どうかしている.
それでも,思い出してしまえば本当に小さかった頃から大して変わりもしていない自分を
見つけて,そんな変われるものでもないんだなと思い直している.
変わったような気になっているのは自分の願望なのかな.
がんばらなくてもいいとは思わないけれど,無理ばかりする必要はない.
どの場所に腰を下ろすかはわからないけれど,いつまでも歩き続ける必要はない.
でも,何か始めなければ何も動いてはいかない.
どうしよう.
宙ぶらりんな場所で,今日は終わる.今日も眠る.