ぶらり旅 滋賀・石山編 後半 「滋賀ないぼくの日曜日」
10月というのに、日差しがきつく、歩いていると暑いくらいだ。
はじめてひとりで京都に遊びに行った10月も、こんな日だったっけ。
石山寺から瀬田の唐橋まではおよそ2キロ。
唐橋が見えてきた辺りで、ドンドコドンドコ太鼓の音が聞こえてくる。
結構大きな祭りなんだろうか、胸が高まってくる。
瀬田の唐橋は間近で見ると、金属製でペンキの塗りも粗く、
気持ちよく晴れた日差しに少し恥ずかしそうだ。
橋を渡ると、そこは百足祭りに訪れた地元の方々、
じいちゃんばあちゃん子供、母ちゃん父ちゃん、おっさんおばさんでごった返していた。
フリーマーケットもたくさん出店、がらくた市には秋晴れがよく似合う。
目指す雲住寺の前ではおいなりさん、鮒寿司、味ご飯、わたがしなど、
いよいよ地元の祭り気分が盛り上がってきた。
それをすり抜け、早速境内に入ると、すでに椅子が並べられ、
オーディエンスは準備万端だ。
自分もすぐに席に着き、はじまりを待つ。
ステージは寺を背に、いかにも手作り。
看板も少し字が下手で、それを書いた人の人柄が溢れている。
このお祭り、正式には「第13回 俵藤太と百足供養会」という名で、詳しいことはよく分からない。
ともかく、その供養会の奉納ライブにバンバンバザールのゲストとしてイノトモさんが出演するのである。
しかし、バンバンバザールの音楽ははじめて聴くので、少しわくわくしてきた。
3人ともがたいの良い彼らは自分らでセッティングを行い、
とても自然にライブがはじまった。
(その前に、司会のおばさんのブッ飛んだ紹介が会場を盛り上げていたけれど…。)
いかにも手拍子の似合う軽快なリズムと気持ちの良い歌声とギター。
人が行き交う騒がしい祭りの中に、とても心地よい。
とてもいいじゃないか、こういうの、と思って楽しい気持ちになった。
そして、イノトモさんの出番。
思ったとおりの雰囲気のひとだった。
いや、予想以上にふんわりしていたかもしれない。
でも、その歌声を聴いたぼくはゾゾーってしたんだ。ほんとだよ。
そして、ぼくの大好きなアルバム「やさしい手。」から「冬のにおい」という曲。
なんだか身体がじんわりしてきて、とても懐かしいような、嬉しいような、
泣きたい気持ちになってしまって、びっくりしてしまった。
でも、イノトモさんの出番は短くて、もっとその声を聴いていたいと思ったよ。
奉納ライブは午後2時からもあったんだけど、
ぼくは前日、仕事で植えるために買った樹木を受け取るために午後5時に
仕事場にいなければいけないという、きわめて、しかたのない状況にあり、
草津でとんかつを食べて午後の早い時間に帰ってきたのでした。