ユキと雪 | 雨のあとのにおい

ユキと雪

先週、北海道へ里帰りしてきた。

なんだか地図で見るより遥かに近く感じた。

そして、空から見る地元の風景は畑のパッチーワークみたいでとても綺麗だった。

旅の連れ合い、ユキも、初めての空の旅を難なく過ごしたようで安心安心。

家族にもすぐになついてとても可愛がられて、お姫様気分ご満悦のユキが、

ほんのわずかな時間に、僕の愛用のベルトをずたずたに引きちぎって遊んでいたのだけは

ぼくをちょっぴり悲しくさせました。

だけど、家族の中のユキはいままで僕が気付いていなかったことをいろいろと見せてくれて、

ユキも僕もお互いにいい経験をしてきたと思う。

それと、ユキがいることで家族の雰囲気も全然変わってしまうことにも驚かされた。

僕の父親も母親も、これほどまでにひとなつっこい犬だと思っていなかったらしく、

帰ってくると、毎回嬉しそうに真っ先に出迎えてくれて、ぺろぺろしてくれたり、

歩くとトコトコと後ろをついてくる姿にやられ、初孫でもできたかのようにもうデレデレだった。

特に父はデレンデレンで、猫なで声でユキを呼んではべろべろと顔中舐められて

いひいひ言ったり、甘い声で寝かしつけていて、孫ができたら凄いことになりそうだと、なんとなく思った。

母も、そんな父の前では「べたべたしすぎてユキが嫌がってるよ」とか言って、

少し引いて見ていたけど、別の時にはユキちゃんユキちゃんとたいそう可愛がっていて、

なんだか面白かった。

遊びに来たぼくの妹もすぐにハートをつかまれたようで、写真を何十枚と撮ったり、

ユキとよく遊んでくれた。

ご飯の時にはテーブルに足をかけて、ほんとうにかわいらしくおねだりするので、

みんなユキが気になっていて、僕はほんとうに、凄いもんだなあと思っていた。

そして、ユキの存在をとっても愛おしく思った。

北海道から帰る前の前の日、プレゼントのように雪が降った。

家の近くではすぐに溶けてしまったけど、

僕がこの季節がもっとも美しいと思っている帯広の緑ヶ丘公園には

まだ雪が残っていて、ユキと一緒に雪を見たり、雪の上を歩き回ったり、

そんなことができて、本当に嬉しかった。

身体の模様の白い部分が多いからユキと名づけて、

いつか本当の雪を見せてやりたいと思っていたのがこんなに早く実現するなんて。

北海道から帰ってきて、また二人暮らしが始まった。

ユキはいつもかまってもらえた環境に慣れたためか、前より寂しがり屋になったような気がする。

いまはちょっといびきをかいて寝ているけれど。

安らかな表情で、ぐっすり眠るかわいいユキ。

北海道の雪の上で遊んでいる夢や、愛してくれる家族の夢でも見ているだろうか。