赤黄色の金木犀
秋らしい日がここ何日か続いたと思ったら、
辺りに金木犀の匂いが香りだしていた。
きっと、この匂いを嗅いで、いつかの秋の記憶なんかを思い出す人がたくさんいるんだろう。
だけど、残念ながら僕にはそれができない。
というのは、北海道では金木犀が育たないからだ。
もちろん家の中なんかでは育てられるだろうけど、
路地植えでは育たない。
僕は本物の金木犀の匂いをかぐ前に、トイレか何かの消臭剤から、このような匂いを知った。
だから、初めてこっちで秋を過ごしたときは驚いた。
どこもかしこも消臭剤をとりかえたのかな?なんて本気で思った。
それから3回目の秋。少しは慣れ、なんとなくこれが秋の風情なんだなあと実感できるようになった。
その辺の路地を歩くと、不意にこの匂いが漂ってくるのが嬉しい。
それにしても強烈な匂いとは思う。
春に咲く沈丁花の花の匂いは可憐でやさしくてすごい好きだけど、
金木犀は強い分、躊躇してしまう。
でも、今はそんなふうに思っていても、あと何年かすると、この匂いをとても愛しく思ったり、
この匂いを嗅いで、センチメンタルに浸ることになるのだろう。
車内音楽 * フジファブリック 「赤黄色の金木犀」