遺恨 | 剣竿一如

遺恨

 いやいやいや、D病院栄養科めが、昨年出したクレーム意見書の意趣返しの仕返しをしてきやがりましたよ。今朝、眠釣の分だけ朝食が用意してなかったわ、マジで。看護師さんが、「別のカートに入っちゃったンだと思うから、チョット待っててください」 って探してくれたンだけど、結局、「 作 っ て な か っ た ! 」 ワケですよ。「スグに作らせます!」ってンで、さらに15分ほど待たされた、朝食時間40分後に出てきたのは、選択しているパン食ではなく、冷や飯に冷めた味噌汁に冷めたくなった煮物モドキ。電子レンジで温め直してさえいない……。その場にいた入院患者仲間も愕然……。

 「 誰 が こ ん な モ ン 、 食 う か ッ ! 」

 当然、手も付けずに下げてもらった。しかし今日は抗ガン剤治療用第三クール二日目。何も食わずにいるわけにはいかぬ。サッサと売店にカツサンドとミックスサンド、ミルクとヨーグルトを買いに行く。

 売店から戻ってくると、看護師さんが平身低頭で謝ってくれたが、看護師さんが謝る理由はどこにもない。栄養科が謝りに来い! 偶然にしても相手が悪すぎるぞ。クレームの意見書を出した人間の朝食を作り忘れて、「あぁ、ミスや手違いは誰に出もあるからイイよ」 などと、寛容に許すはずがないだろう。しかもだな、普段は明るく振る舞っていてはいても、人生末期の病床かもしれないって、複雑不安な心理状態の末期ガン患者だぞ。本当に手違いのミスだったとしても、「意見書の意趣返しに、仕返ししてきやがったな!」 と怒り心頭になって当然だろうが、ってお話です。

 この意趣返しへの遺恨、キッチリと討ち返してくれるぞッ!