体験ダイビング*シリーズ2* | 民部良子 オフィシャルブログ powered by ameba

体験ダイビング*シリーズ2*

※*シリーズ2*なので*1*を読んでから続きを読んでくださいまし※




目の前に現れた物体は……




なんと烏賊だ……!!





イカがわたしの目の前を通った!!



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食べる時にはもぅ死んでいるので生きている烏賊を、それも海の中で泳いでいる烏賊を生で見るのはもちろん初めてで。



コブシメというイカで、普段食卓で見るアオリイカとは違い、イカといえばの長い手足は見当たらず、ずんぐりとしたどんぐりの形のような胴体、というか胴体と顔の境もないので全体というか。それに、どこが口だかひれだかわからない顔立ち。



半透明な茶色がかった色合い。



ひらひらしながら、泳いでいるというよりもその場に浮いている。



波があるはずなのにその場に静止しているかのようだった。



近付こうとするとひらひらしながらすぅーっと素早く遠ざかる。



目が合っているはずもないのだが、アイドルのコンサートに行ったファンのように、イカはわたしを見ていると認識してしまった。



人間の意識とは不思議なもので、わたしの思考回路は《イカと泳ぐ=マリオ》と咄嗟に判断したらしい。



くぐもった音のない世界で、脳から直接発っせられる鮮明な音で、ゲームの中のマリオがイカと泳ぐ海の中の音楽が流れ始めた。



一気にボルテージは上がる。



出会ったコブシメを追いかけてみるが、彼らのテリトリーの海の中では追いつけるはずもなく。



もぅ一杯(生きてるイカも杯と数えるのかは疑問だが)も合流して、目の前には二杯のコブシメ。わたしと見つめ合う。



コブシメ達は人間を小馬鹿にするように一瞥し、人が追いつけないスピードで遠くに遠くに泳いでいった。



イカが去ったと同時に、マリオの音楽はフェイドアウトしていった。




そして水面から見ていた大きな岩があるポイントへ進む。




水深15メートルくらいだろうか。海の中から上を見上げると、太陽に照らされ波に揺れている水面を見る事ができる。


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陸から見る水面とは違い、空から差し込む光が一筋一筋海の中に差し込んでいるのが見える。刺すような光ではなく、とてもとても優しい。波に逆らう事なく光も揺れている。



自分が呼吸をして出る空気が水面へと上がっていく様子が、信じられないほど美しい光景だという事に驚いた。



空気の粒、一粒ずつが、まるで太陽の光を受けてダイヤモンドのようにキラキラ輝いて天上に昇っていくのである。


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うっとりして危うく呼吸を忘れそうになる。





そして、水面から見ていた花のように鮮やかな魚達が珊瑚が住み着いている大岩に近付いていく。


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磯巾着に見え隠れする生物が見える。



今度はニモだ!!


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図鑑で、テレビで、水族館でしか見た事のないカクレクマノミがそれぞれの大きさで、まるでダイバーの私達を警戒しながら磯巾着の中でじっとしていたり、興奮して出たり引っ込んだりしていたり、気にせず餌を探すのに没頭していたり、実に様々な行動をしている。




直径5ミリほどの綺麗なウミウシもいる。


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当たり前に本で見るより小さい。図鑑にはアップでしか載っていないから、大きさは記載されていても実際その目で見て小ささに驚く。



大きな岩の下には小さなネムリブカというサメがいたりする。



恐る恐る覗いてみると猫のように黄色く目が光っている。だが、ジョーズのように襲ってくるわけはなく、こちらを観察しながらジッとしていた。




よくよく見ているとかわいく見えてくるから不思議。




言葉は発っせなくても、インストラクターや一緒に潜っている仲間と、ジェスチャーで見た物の衝撃や感動の意思疎通ができる。



一緒に潜っても、一人の世界になると思っていたわたしには驚きだった。




海の中の共有というのは、地上よりより一体感が増すものだという事もわかった。



酸素の残量が少ないので"上がろう"とインストラクターがジェスチャーする。


まだまだ海の中にいたかった。



再びこの海に来ても、会える生物が全く同じ事はない。



全てが一期一会。



残念ながら海亀には会えなかったので、次回は会える事を願って。




下の景色を目に焼きつけながら、真っ青な海から上がった。




ーENDー





より海を楽しむなら、シュノーケリングや体験ダイビング(体験ダイビングは免許がなくても潜れるが、水深10メートルまでしか潜れない)ではなく、ダイビングの免許を取ってより深くまで、知識もつけて潜ってほしいと思います。



わたしはまだOPEN WATERで水深30メートルまでしか潜れないけど。


ランクアップして50メートルの深海まで潜りたい。




光の届かない未知の海を、生物を見てみたいです。