体験ダイビング*シリーズ1* | 民部良子 オフィシャルブログ powered by ameba

体験ダイビング*シリーズ1*

そこには音がなかった。



生物が動いている音が全くしなかった。機械的なくぐもった自分の呼吸だけは聞こえる。


よく考えてみれば、耳は水に圧迫されているのだから何も聞こえないのは当たり前だ。



自分の心拍数の上昇とは裏腹に、呼吸は深く、を意識する。そう教えられたから。



永遠に続くような青の中、恐る恐る周りを見る。呼吸を満足にする事で精一杯で、周りを見るのを忘れていた。



自分の体を目で確認し、自ずと下の光景が目に入る。




息をのんだ。




というか、口は器具によって常に半開きにされているので、正確には『息を呑むように舌が上下した』状態であった。










自分のはるか下には音もなく、(本当は音が出ているのかもしれないけれど)泳ぎ回っている色鮮やかな魚達がたくさん見える。




赤や黄色や緑、青よりも青いものや、もはや茶色でさえも青の中では映えていた。





そして、彼らは"はるか下"にいるはずなのにハッキリと見える透明度に再び息をのむ。




大きな何個かの岩というか珊瑚の塊というのか、その中に無数とも思える魚達と磯巾着がいる。



分類しきれないほどの様々な色彩を携えて。




私達人間の住宅街と変わりなく、あるいはもっと密集しているのかもしれない。

大小の珊瑚と、そのすき間を縫うように磯巾着が根付いている。



それを家とする魚達が戯れたり、磯巾着の中に入って餌を探したり隠れたり、警戒したりしているだろう。





私達の家との違いは、珊瑚の場合は形成までに非常に時間がかかるという事、珊瑚自体が生きているという事、磯巾着の場合は毒を持っているという事。



そして決定的な違いは。






その両方とも海の中にしか存在しないという事。






わたしは今

海の中にいる。


沖縄の海の中にいる。





海の中にいながら肺呼吸をしているのだ。


つまりは、初めてダイビングをしているのだけれど。




ダイビングといっても、今はエントリーして水面から下の景色を眺めているだけで。




これから潜ろうという所なのだが、初めて見る遠くまで見える透明度の高い海に、海の中に見る艶やかな色彩に、興奮した。



興奮して知らぬ間に、レギュレーターをくわえている口から言葉になっていない声が出ていた。



『酸素がなくなるから興奮しないでください』



と苦笑したインストラクターから注意を受ける。




笑いながら答えてさらに下へ潜る。




水の中に入った瞬間から続いているドキドキが、更に増していく。





上から見ていた、水面から見ていた景色が、自分が深く潜る度に近づいてくる。



とくん、とくん、耳の側で早くなった心臓の音が聞こえる。





そこに…!!




わたしの目の前に物体が現れた!!





☆続く☆





長いのに最後まで付き合っていただいてありがとうございます。



わたしが初めてダイビングをした時の様子を文章にして、ダイビングをした事のない人にも体験してもらえたら、と思って《体験ダイビング》と題名を書きました。



素人の文章なのでわかりづらい、想像しづらい表現もあるでしょうが、楽しんでもらえたらいいな、と!!



海って素晴らしいんです~~~(≧ω≦)




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