ray of sunshine~sakura yoshino
『おに~ちゃん♪』
ボクの1日は、いつもこの一言から始まる。お寝坊さんのお兄ちゃんを起こしに、
いつものあの部屋・・・あったかくて、お兄ちゃんの匂いがして、ボクが一番大好きな
場所。
「んあ・・・」
お兄ちゃんはいつも寝起きが悪くて、なかなか起きないんだ。
「おにーちゃん、ほらほら起きて!今日はとっても良い天気だよ♪」
思いっきりカーテンを開けると眩しい太陽の光が部屋中に降り注いで、すっごく
気持ち良い♪
初音島は3日くらい前からずーっと雨が降ってて、昨日も何だか島全体が暗い感じ
だったんだけど、今朝は雲ひとつない晴天!やっぱり晴れが一番だよね~。
「んん・・・音夢?」
お兄ちゃん・・・寝ぼけてる・・・
「お兄ちゃん!ボクだよ、さくら!」
ボクと音夢ちゃんを間違えるなんて・・・むぅ・・・こうなったら思いっきり
揺すっちゃうぞ!
ゆさゆさゆさっ
「何だよ音夢・・・今日はいつもと違うな・・・・・・って、え?」
「おはよう、お兄ちゃん♪」
「・・・さ、さくら?!」
ぐらっ
「わ、お、お兄ちゃん!急に起き上がらないで・・・ってにゃあ!」
どすんっ!
「あ、わ、す、すまん!大丈夫かさくら?!」
「うん、だいじょぶだよ、お兄ちゃん」
ホントはちょっと痛かったけど、お兄ちゃんに心配かけたくないから、これは秘密。
「まったく・・・朝っぱらから何やってんだよお前は・・・しかも今日は休みだろ?」
「んにゃ~・・・せっかくの休みだから、一日中お兄ちゃんと一緒にいようと思って
こうやって朝から遊びに来たんだよ~」
「何でそんなかったるいことができるんだお前は・・・」
そう言って、またベッドに潜り込もうとする。
「にゃにゃ!ダメだよ、ホラ起きて起きて!えい!」
「あ、こら!」
「お兄ちゃんの上にかかってるものを全部取っちゃえば、もう寝られないもんね!」
「はぁ・・・分かった、起きるよ・・・」
やっと体を起こして、下へ降りていくお兄ちゃん。
「お兄ちゃん、今日は良い天気だよね♪」
「あぁ、絶好の昼寝日和だ」
「お昼寝?うん、それも良いね」
お兄ちゃんの部屋で、お兄ちゃんとお昼寝・・・気持ち良さそうだなぁ・・・
「ってホントかよ?珍しいな、こんな日はいつもデートしようって言うくせに」
「うん、今日はね、お兄ちゃんの部屋にずーっと居ようと思ってたんだ」
ごろんとお兄ちゃんのベッドに転がると、お兄ちゃんの匂いがして、そこに太陽の
光が降り注いで、とっても気持ち良い・・・
「・・・くー・・・」
「・・・?あ、おいさくら!寝るな!」
「・・・んにゃ?にょわわ!ご、ごめんお兄ちゃん!」
いけないけない・・・気持ち良くてつい寝ちゃったよ・・・
「ったく・・・まぁ良いけどさ。せっかくだから、朝飯一緒に食うか?」
「にゃ、良いの?!じゃあ、お兄ちゃんの部屋で食べようよ!」
「はぁ?何言ってんだお前?」
「だってだって、今日はずっとお兄ちゃんと一緒に、お兄ちゃんの部屋にいるって
決めたんだもん!ね、良いでしょ~?」
子猫みたいに体をお兄ちゃんに摺り寄せてみる。
「はぁ・・・分かったよ、もうこうなったら、今日はとことんさくらに付き合ってやる!」
「ホント?!わぁ、やったぁ!お兄ちゃん大好き!」
ボク、嬉しくて思わずお兄ちゃんに抱きついちゃった♪
「こら、離れろ!ったく・・・んじゃ、とりあえず朝飯作るか・・・さくら、お前
何食べたい?」
「え?うーんと・・・お兄ちゃんが作ってくれるなら何でもOK!」
「ホントだな?じゃあ俺が作ったなら、真っ黒こげのトーストでも良いんだな?」
ちょっと意地悪な笑顔でちょっと意地悪なことを言うお兄ちゃん。
「にゃ・・・そ、それはちょっと・・・」
「あははっ!さすがに冗談だ。ほら、せめて手伝え」
「うん、もちろん!」
今日は、絶好の日光浴デート日和♪
おわり。
ボクの1日は、いつもこの一言から始まる。お寝坊さんのお兄ちゃんを起こしに、
いつものあの部屋・・・あったかくて、お兄ちゃんの匂いがして、ボクが一番大好きな
場所。
「んあ・・・」
お兄ちゃんはいつも寝起きが悪くて、なかなか起きないんだ。
「おにーちゃん、ほらほら起きて!今日はとっても良い天気だよ♪」
思いっきりカーテンを開けると眩しい太陽の光が部屋中に降り注いで、すっごく
気持ち良い♪
初音島は3日くらい前からずーっと雨が降ってて、昨日も何だか島全体が暗い感じ
だったんだけど、今朝は雲ひとつない晴天!やっぱり晴れが一番だよね~。
「んん・・・音夢?」
お兄ちゃん・・・寝ぼけてる・・・
「お兄ちゃん!ボクだよ、さくら!」
ボクと音夢ちゃんを間違えるなんて・・・むぅ・・・こうなったら思いっきり
揺すっちゃうぞ!
ゆさゆさゆさっ
「何だよ音夢・・・今日はいつもと違うな・・・・・・って、え?」
「おはよう、お兄ちゃん♪」
「・・・さ、さくら?!」
ぐらっ
「わ、お、お兄ちゃん!急に起き上がらないで・・・ってにゃあ!」
どすんっ!
「あ、わ、す、すまん!大丈夫かさくら?!」
「うん、だいじょぶだよ、お兄ちゃん」
ホントはちょっと痛かったけど、お兄ちゃんに心配かけたくないから、これは秘密。
「まったく・・・朝っぱらから何やってんだよお前は・・・しかも今日は休みだろ?」
「んにゃ~・・・せっかくの休みだから、一日中お兄ちゃんと一緒にいようと思って
こうやって朝から遊びに来たんだよ~」
「何でそんなかったるいことができるんだお前は・・・」
そう言って、またベッドに潜り込もうとする。
「にゃにゃ!ダメだよ、ホラ起きて起きて!えい!」
「あ、こら!」
「お兄ちゃんの上にかかってるものを全部取っちゃえば、もう寝られないもんね!」
「はぁ・・・分かった、起きるよ・・・」
やっと体を起こして、下へ降りていくお兄ちゃん。
「お兄ちゃん、今日は良い天気だよね♪」
「あぁ、絶好の昼寝日和だ」
「お昼寝?うん、それも良いね」
お兄ちゃんの部屋で、お兄ちゃんとお昼寝・・・気持ち良さそうだなぁ・・・
「ってホントかよ?珍しいな、こんな日はいつもデートしようって言うくせに」
「うん、今日はね、お兄ちゃんの部屋にずーっと居ようと思ってたんだ」
ごろんとお兄ちゃんのベッドに転がると、お兄ちゃんの匂いがして、そこに太陽の
光が降り注いで、とっても気持ち良い・・・
「・・・くー・・・」
「・・・?あ、おいさくら!寝るな!」
「・・・んにゃ?にょわわ!ご、ごめんお兄ちゃん!」
いけないけない・・・気持ち良くてつい寝ちゃったよ・・・
「ったく・・・まぁ良いけどさ。せっかくだから、朝飯一緒に食うか?」
「にゃ、良いの?!じゃあ、お兄ちゃんの部屋で食べようよ!」
「はぁ?何言ってんだお前?」
「だってだって、今日はずっとお兄ちゃんと一緒に、お兄ちゃんの部屋にいるって
決めたんだもん!ね、良いでしょ~?」
子猫みたいに体をお兄ちゃんに摺り寄せてみる。
「はぁ・・・分かったよ、もうこうなったら、今日はとことんさくらに付き合ってやる!」
「ホント?!わぁ、やったぁ!お兄ちゃん大好き!」
ボク、嬉しくて思わずお兄ちゃんに抱きついちゃった♪
「こら、離れろ!ったく・・・んじゃ、とりあえず朝飯作るか・・・さくら、お前
何食べたい?」
「え?うーんと・・・お兄ちゃんが作ってくれるなら何でもOK!」
「ホントだな?じゃあ俺が作ったなら、真っ黒こげのトーストでも良いんだな?」
ちょっと意地悪な笑顔でちょっと意地悪なことを言うお兄ちゃん。
「にゃ・・・そ、それはちょっと・・・」
「あははっ!さすがに冗談だ。ほら、せめて手伝え」
「うん、もちろん!」
今日は、絶好の日光浴デート日和♪
おわり。
宝物-kotori shirakawa
-失くした宝の箱
もう一度見つけられた
素敵な出会いと いつかくる別れ知った-
『おはよう~』
春。初音島の春。一年ぶりに咲き乱れた、桜の並木道。
通学路のたくさんの学生は、新しい季節に不安と期待を抱いている。
そして・・・
「よう、ことり」
「おはよう、朝倉くん♪」
隣りには、私の一番大切な人・・・
「今日は早いねぇ。どうしたの?あ、分かった!徹夜したんでしょ?」
「あのなぁ・・・ちゃんと起きたんだよ。どこかのおせっかいな妹が、新しい目覚ましを
送ってきたからな」
かったりぃことしてくれるぜ。と、彼は本当に気だるそうに言った。
「音夢、今度はどんな目覚まし送ってきたの?」
「通販で売ってたんですよ♪って、電流が流れる世にも恐ろしいモノを・・・
まったく、アイツは兄を殺す気か?」
でも、本当は違う。妹のことを話すときの彼は、いつも楽しそうな表情をしているから。
「っても・・・せっかく音夢が送ってきたんだから、使わないワケにもいかないだろ?
だから、しょうがなくだな・・・」
「ふふ、分かってるよ。朝倉くんは、妹さん思いの優し~いお兄ちゃんだもんね。
あ~あ、音夢が羨ましいなぁ・・・そうだ!私も目覚まし、プレゼントしようかな」
ちょっと拗ねた素振りをしてみる。すると、彼は決まって同じ反応をする。
「頼むからそんなかったりぃことは止めてくれ・・・」
そう言って、彼はちょっとだけ歩くスピードを上げる。
「あ、待ってよ朝倉くん~!」
そして、私もいつもと同じように、彼について行く。
『朝倉先輩~ことり先輩~!』
「はぁ・・・」
どこからか聞えてくる声に、彼の足が止まる。
「美春・・・頼むから朝っぱらから大声で吠えるな・・・」
「吠えてなんていませんよぉ~朝の挨拶じゃないですかぁ」
美春ちゃんは、いつからか私のことを「ことり先輩」と呼ぶようになった。女同士の友情は、
男の子のそれよりも深いんだよ、朝倉君♪
「ね、美春ちゃん♪」
「はい?な、何でしょうことり先輩?」
首を傾げ、頭の上に?マークを浮かべる美春ちゃん。
「うぅん、何でもない~」
「何だよことり、俺まで気になるだろ」
朝倉君には、きっと分からないだろうなぁ~。そういうと、
「はぁ?何だそりゃ・・・かったりぃ」
「朝倉先輩、相変わらず『かったりぃ記録』更新してますねぇ~」
「余計なお世話だっ」
朝倉くんと、美春ちゃん・・・ただの先輩と後輩という関係を超えているような、不思議な2人。
こんなのも、ありだよね。
『そうそう。いっそのこと、ギネスブックに申請してみたら?』
「はぁ・・・眞子、挨拶代わりにくだらない冗談を言うのは関心しないぞ・・・」
声を聞いただけで、相手が分かってしまう。これも、友情のひとつのカタチ。
「おはよう、ことり、美春ちゃん」
眞子も、いつの間にか私のことを「ことり」と呼ぶようになっていた。
友情レベル、1アップ!なんてね?
「おはようございま・・・すぅ~」
「おはよう、萌先輩。って、おやすみなさいか?」
萌先輩は相変わらず、マイペース。
「バカなこと言ってんじゃないわよ。ホラお姉ちゃん、起きてよ。もうすぐ学校着くよ」
「・・・ふあ?あらぁ・・・皆さん、おはようございますぅ~」
そして、お馴染みの木琴で、あの独特のメロディを奏でる。何故か心が和む、不思議なメロディ。
『んにゃ?キミ達、早くしないと遅刻だよ~』
ぴょこっと、金髪のツインテールが顔を出す。
「芳乃先生、おはようございます♪」
「あにゃぁ、まださくらで良いよ~。先生は、校門をくぐってから。
それより、今日はまた随分と大人数だねぇ~」
朝倉くん、美春ちゃん、眞子、萌先輩、さくらちゃん、そして私・・・
みんなみんな、私の大切な宝物。
「あわわわっ、風紀委員の美春が遅刻なんてしたら、音夢先輩に合わせる顔がありません!
そ、それでは先輩方、美春はこれで失礼します!」
だっと駆け出す美春ちゃん。
「うっわ、もうこんな時間!お姉ちゃん、急がないとホントやばいよ!」
眞子も、萌先輩の手を取って走り出す。
「しょうがねぇなぁ・・・ほらことり、俺達も急ぐぞ!」
そういって、朝倉君は私の前に手を伸ばした。
「・・・うん!」
しっかりと握られた2人の手には、春のぬくもりが感じられた。
「発表会?」
その日の昼休み。いつもの中庭で、それは突然切り出された。
「うん。ホラ、前に学園祭で私とみっくんとともちゃんでやったのが好評だったから、
新入生歓迎会でもやってくれって」
そう、去年の学園祭での出来事は、今でも良く覚えてる。いや、忘れるほうが無理な話だ。
「それで?今回の見返りはなんだ?」
また、ミスコンか?そう思った。だが、答えは意外なモノだった。
「歌を作ってくれって?!」
「うん、でも大丈夫だよ。隠し玉があるから♪」
ことりは、そう笑顔で言った。
「隠し玉?俺にも秘密なのか?」
「今回ばかりは、敏腕マネージャーさんもお役ご免っす」
「そうか・・・分かった。じゃあ、発表会を楽しみにしてるぜ」
ことりにそこまで言われたら、素直に引き下がるのが懸命だろう。あら探しは性に合わないし・・・
「期待しててね♪」
そして、新入生歓迎会当日。
真新しい制服に身を包んだ新入生達への、様々な余興が次々に行われていく。
『次は、先輩方による歌の発表会です』
「やっと来たか・・・」
本来ならこんなイベントはサボるのだが、今回はこのために在校生席の最前列を確保した。
裏で杉並が動いたのは言うまでもない・・・
「えー・・・こほん。新入生の皆さん、こんにちは。本校2年の、白河ことりです。
今日は皆さんに、歌のプレゼントをしようと思います」
仮にも「ミス風見学園コンテスト」を連覇していることりだけに、新入生、特に男子生徒からは
早くもどよめきが上がっている。
「今回、皆さんにプレゼントする歌は、『宝物』という、私の想いが詰まった歌です。」
ことりが話し始めると同時に、会場は再び静寂を取り戻す。
「歌には、色々なモノが詰まっています。楽しいこと、嬉しいこと、寂しいこと、悲しいこと、
辛いこと・・・だから、人は歌を聴くことで癒されるのだと、私は思います。実際、私自身も、
歌に助けられました。そんな大切な想い出を詰め込んで、この歌を作りました。
新入生の皆さんも、何か辛いこと、悲しいことがあった時に、この歌を思い出してください。
この歌が、皆さんの力になることを祈って・・・」
ことりは一息つくと、両際のみっくんとともちゃんに合図を送った。
「それでは聴いてください。『宝物』」
「・・・ありがとうございました」
目に涙を浮かべながら、礼をすることり。そして、みっくんとともちゃん。
その瞬間、会場は割れんばかりの拍手に包まれた。スタンディング・オベーションというヤツだ。
もちろん、俺も例外ではなかった。鳴り止まない拍手の中、3人は会場を後にした。
「さてと・・・」
俺も急いで舞台裏へ向かう。
「ことり!」
「あ、朝倉・・・くん・・・」
まだ落ち着かないのか、声が震えている。
「・・・唄って泣いたのは・・・2回目だよ」
「あぁ・・・最高だったぜ」
そっとことりを抱きしめる。
「良かった・・・皆に、朝倉くんに、喜んでもらえて・・・」
そう言ったことりは、最高の笑みを浮かべていた。
「コホン。あのぉ~朝倉くん?いちゃつくのは構わないんですけど、ちょっとことりを貸して
もらえません?まだやること残ってるんですよ」
みっくんの声に、慌てて離れることり。
「わ、あ、そうだった!ごめんね朝倉くん、また後で・・・」
「あぁ。じゃ、また来るよ」
そして、俺はその場を後にした。
「宝物か・・・」
太陽は西に沈み、夕陽が桜をオレンジ色に染める。
「ねぇ、朝倉くんの宝物って、何?」
「ん?俺の?そうだなぁ・・・金」
「ぷっ・・・朝倉くんらしいね」
あははっ、と笑うことり。
「いや冗談だ・・・半分マジだが。こほん、と、とにかく・・・俺の宝物は・・・」
「宝物は?」
ことりの期待に満ちた目が俺をじーっと見つめている。
「仲間、というか友達というか・・・音夢、美春、眞子、萌先輩、杉並・・・
だぁ、何言ってんだ俺わ!」
自分でクサイことを言って、鳥肌が立っているのが分かる。
「うぅん、とっても素敵だと思うよ」
それでも、ことりは笑わずに、そう言ってくれた。
「・・・でもな、俺の一番の宝物は・・・ことり、お前だから・・・」
小さく、そうつぶやいた。
「え?何、何か言った?」
「いや、何でもない。それよりことり、お前の宝物は何なんだよ?」
とにかく恥ずかしいので、無理やり方向を変える。
「え?それはね~」
「・・・?」
「秘密♪」
そう言うと、ことりは走り出した。
「おい、何だよそれ!」
俺も次いで走り出す。
「私を捕まえられたら、教えてあげるー!」
「はぁ・・・またかったりぃことを・・・よし、こうなりゃ絶対に捕まえてやるぜ!覚悟しろよ!」
夕陽に向かって走ることり、それが、俺の最高の宝物。
ずっと、ずっと守っていく。一緒に歩いていく。どんなことも、一緒に・・・
これからも、ずっと。
おわり
2004.4.2
もう一度見つけられた
素敵な出会いと いつかくる別れ知った-
『おはよう~』
春。初音島の春。一年ぶりに咲き乱れた、桜の並木道。
通学路のたくさんの学生は、新しい季節に不安と期待を抱いている。
そして・・・
「よう、ことり」
「おはよう、朝倉くん♪」
隣りには、私の一番大切な人・・・
「今日は早いねぇ。どうしたの?あ、分かった!徹夜したんでしょ?」
「あのなぁ・・・ちゃんと起きたんだよ。どこかのおせっかいな妹が、新しい目覚ましを
送ってきたからな」
かったりぃことしてくれるぜ。と、彼は本当に気だるそうに言った。
「音夢、今度はどんな目覚まし送ってきたの?」
「通販で売ってたんですよ♪って、電流が流れる世にも恐ろしいモノを・・・
まったく、アイツは兄を殺す気か?」
でも、本当は違う。妹のことを話すときの彼は、いつも楽しそうな表情をしているから。
「っても・・・せっかく音夢が送ってきたんだから、使わないワケにもいかないだろ?
だから、しょうがなくだな・・・」
「ふふ、分かってるよ。朝倉くんは、妹さん思いの優し~いお兄ちゃんだもんね。
あ~あ、音夢が羨ましいなぁ・・・そうだ!私も目覚まし、プレゼントしようかな」
ちょっと拗ねた素振りをしてみる。すると、彼は決まって同じ反応をする。
「頼むからそんなかったりぃことは止めてくれ・・・」
そう言って、彼はちょっとだけ歩くスピードを上げる。
「あ、待ってよ朝倉くん~!」
そして、私もいつもと同じように、彼について行く。
『朝倉先輩~ことり先輩~!』
「はぁ・・・」
どこからか聞えてくる声に、彼の足が止まる。
「美春・・・頼むから朝っぱらから大声で吠えるな・・・」
「吠えてなんていませんよぉ~朝の挨拶じゃないですかぁ」
美春ちゃんは、いつからか私のことを「ことり先輩」と呼ぶようになった。女同士の友情は、
男の子のそれよりも深いんだよ、朝倉君♪
「ね、美春ちゃん♪」
「はい?な、何でしょうことり先輩?」
首を傾げ、頭の上に?マークを浮かべる美春ちゃん。
「うぅん、何でもない~」
「何だよことり、俺まで気になるだろ」
朝倉君には、きっと分からないだろうなぁ~。そういうと、
「はぁ?何だそりゃ・・・かったりぃ」
「朝倉先輩、相変わらず『かったりぃ記録』更新してますねぇ~」
「余計なお世話だっ」
朝倉くんと、美春ちゃん・・・ただの先輩と後輩という関係を超えているような、不思議な2人。
こんなのも、ありだよね。
『そうそう。いっそのこと、ギネスブックに申請してみたら?』
「はぁ・・・眞子、挨拶代わりにくだらない冗談を言うのは関心しないぞ・・・」
声を聞いただけで、相手が分かってしまう。これも、友情のひとつのカタチ。
「おはよう、ことり、美春ちゃん」
眞子も、いつの間にか私のことを「ことり」と呼ぶようになっていた。
友情レベル、1アップ!なんてね?
「おはようございま・・・すぅ~」
「おはよう、萌先輩。って、おやすみなさいか?」
萌先輩は相変わらず、マイペース。
「バカなこと言ってんじゃないわよ。ホラお姉ちゃん、起きてよ。もうすぐ学校着くよ」
「・・・ふあ?あらぁ・・・皆さん、おはようございますぅ~」
そして、お馴染みの木琴で、あの独特のメロディを奏でる。何故か心が和む、不思議なメロディ。
『んにゃ?キミ達、早くしないと遅刻だよ~』
ぴょこっと、金髪のツインテールが顔を出す。
「芳乃先生、おはようございます♪」
「あにゃぁ、まださくらで良いよ~。先生は、校門をくぐってから。
それより、今日はまた随分と大人数だねぇ~」
朝倉くん、美春ちゃん、眞子、萌先輩、さくらちゃん、そして私・・・
みんなみんな、私の大切な宝物。
「あわわわっ、風紀委員の美春が遅刻なんてしたら、音夢先輩に合わせる顔がありません!
そ、それでは先輩方、美春はこれで失礼します!」
だっと駆け出す美春ちゃん。
「うっわ、もうこんな時間!お姉ちゃん、急がないとホントやばいよ!」
眞子も、萌先輩の手を取って走り出す。
「しょうがねぇなぁ・・・ほらことり、俺達も急ぐぞ!」
そういって、朝倉君は私の前に手を伸ばした。
「・・・うん!」
しっかりと握られた2人の手には、春のぬくもりが感じられた。
「発表会?」
その日の昼休み。いつもの中庭で、それは突然切り出された。
「うん。ホラ、前に学園祭で私とみっくんとともちゃんでやったのが好評だったから、
新入生歓迎会でもやってくれって」
そう、去年の学園祭での出来事は、今でも良く覚えてる。いや、忘れるほうが無理な話だ。
「それで?今回の見返りはなんだ?」
また、ミスコンか?そう思った。だが、答えは意外なモノだった。
「歌を作ってくれって?!」
「うん、でも大丈夫だよ。隠し玉があるから♪」
ことりは、そう笑顔で言った。
「隠し玉?俺にも秘密なのか?」
「今回ばかりは、敏腕マネージャーさんもお役ご免っす」
「そうか・・・分かった。じゃあ、発表会を楽しみにしてるぜ」
ことりにそこまで言われたら、素直に引き下がるのが懸命だろう。あら探しは性に合わないし・・・
「期待しててね♪」
そして、新入生歓迎会当日。
真新しい制服に身を包んだ新入生達への、様々な余興が次々に行われていく。
『次は、先輩方による歌の発表会です』
「やっと来たか・・・」
本来ならこんなイベントはサボるのだが、今回はこのために在校生席の最前列を確保した。
裏で杉並が動いたのは言うまでもない・・・
「えー・・・こほん。新入生の皆さん、こんにちは。本校2年の、白河ことりです。
今日は皆さんに、歌のプレゼントをしようと思います」
仮にも「ミス風見学園コンテスト」を連覇していることりだけに、新入生、特に男子生徒からは
早くもどよめきが上がっている。
「今回、皆さんにプレゼントする歌は、『宝物』という、私の想いが詰まった歌です。」
ことりが話し始めると同時に、会場は再び静寂を取り戻す。
「歌には、色々なモノが詰まっています。楽しいこと、嬉しいこと、寂しいこと、悲しいこと、
辛いこと・・・だから、人は歌を聴くことで癒されるのだと、私は思います。実際、私自身も、
歌に助けられました。そんな大切な想い出を詰め込んで、この歌を作りました。
新入生の皆さんも、何か辛いこと、悲しいことがあった時に、この歌を思い出してください。
この歌が、皆さんの力になることを祈って・・・」
ことりは一息つくと、両際のみっくんとともちゃんに合図を送った。
「それでは聴いてください。『宝物』」
「・・・ありがとうございました」
目に涙を浮かべながら、礼をすることり。そして、みっくんとともちゃん。
その瞬間、会場は割れんばかりの拍手に包まれた。スタンディング・オベーションというヤツだ。
もちろん、俺も例外ではなかった。鳴り止まない拍手の中、3人は会場を後にした。
「さてと・・・」
俺も急いで舞台裏へ向かう。
「ことり!」
「あ、朝倉・・・くん・・・」
まだ落ち着かないのか、声が震えている。
「・・・唄って泣いたのは・・・2回目だよ」
「あぁ・・・最高だったぜ」
そっとことりを抱きしめる。
「良かった・・・皆に、朝倉くんに、喜んでもらえて・・・」
そう言ったことりは、最高の笑みを浮かべていた。
「コホン。あのぉ~朝倉くん?いちゃつくのは構わないんですけど、ちょっとことりを貸して
もらえません?まだやること残ってるんですよ」
みっくんの声に、慌てて離れることり。
「わ、あ、そうだった!ごめんね朝倉くん、また後で・・・」
「あぁ。じゃ、また来るよ」
そして、俺はその場を後にした。
「宝物か・・・」
太陽は西に沈み、夕陽が桜をオレンジ色に染める。
「ねぇ、朝倉くんの宝物って、何?」
「ん?俺の?そうだなぁ・・・金」
「ぷっ・・・朝倉くんらしいね」
あははっ、と笑うことり。
「いや冗談だ・・・半分マジだが。こほん、と、とにかく・・・俺の宝物は・・・」
「宝物は?」
ことりの期待に満ちた目が俺をじーっと見つめている。
「仲間、というか友達というか・・・音夢、美春、眞子、萌先輩、杉並・・・
だぁ、何言ってんだ俺わ!」
自分でクサイことを言って、鳥肌が立っているのが分かる。
「うぅん、とっても素敵だと思うよ」
それでも、ことりは笑わずに、そう言ってくれた。
「・・・でもな、俺の一番の宝物は・・・ことり、お前だから・・・」
小さく、そうつぶやいた。
「え?何、何か言った?」
「いや、何でもない。それよりことり、お前の宝物は何なんだよ?」
とにかく恥ずかしいので、無理やり方向を変える。
「え?それはね~」
「・・・?」
「秘密♪」
そう言うと、ことりは走り出した。
「おい、何だよそれ!」
俺も次いで走り出す。
「私を捕まえられたら、教えてあげるー!」
「はぁ・・・またかったりぃことを・・・よし、こうなりゃ絶対に捕まえてやるぜ!覚悟しろよ!」
夕陽に向かって走ることり、それが、俺の最高の宝物。
ずっと、ずっと守っていく。一緒に歩いていく。どんなことも、一緒に・・・
これからも、ずっと。
おわり
2004.4.2
ランチBOX-konomi yuzuhara
ラヴリィ!ランチBOX 君の愛のため
ラヴリィ!ランチBOX 君のハートをつかむぞ ランチボッくすっ☆
今日はタカくんのお弁当を作る日♪隊長、このみは頑張って早起きしたであります!
ぱたたた
おはよ~おかーさん
おはよう、このみ。今日はちゃんと起きられたのね
む~、酷いよおかーさん。このみだってガンバれば早起きくらいカンタンにできるんだからね!
じゃあ毎朝ガンバってもらおうかしら?
おか~さ~ん・・・
ほらほら、このみは唐揚げを持ってきて。昨日下準備しておいたのがあるでしょう?
うん!えーと・・・あったよ、おかーさん
それじゃあそれを・・・ちょっとこのみ!電子レンジじゃないわよ!
え?違うの?
ちゃんと揚げるのよ。ほら、それはおかーさんがやるから、次はウインナーを切って
はぁい。えい・・・ちょい・・・ちょい。おかーさん、どう?
うん、ちゃんとタコさんになってるわよ
やったぁ♪
それじゃあ、卵焼きの準備をしてる間に飲物を準備して
えーと・・・紅茶?緑茶?ウーロン茶?おかーさん、どれが良いかなぁ?
私に聞かれても困っちゃうわね~。そこはこのみのセンスに任せるわ♪
う~んと、う~んと・・・じゃあ、これ!
どれ?・・・このみ・・・あなた・・・
え?ダメかなぁ?メロンソーダ・・・
・・・炭酸が抜けないようにね
うん♪
はいはい、それじゃあ焼くわよ。これはこのみでも出来るから、やってみなさいな
さー!このみ、頑張るであります!
じゅう~
あ、あれれ?おかーさぁ~ん・・・
あらら、これはきっと砂糖が多すぎたのね。こんなに入れなくて良いのよ。ほら、
これくらいでちょうど良いの。
わ~。さすがおかーさん!
・・・
えーと、お野菜に、かにクリームコロッケに、マカロニグラタン・・・わぁ、できた!
頑張ったわねこのみ。これならタカくんも喜んでくれるわよ♪
うん!えと、じゃあこれを包んで・・・完成であります!
それじゃあ朝ごはんを食べましょう。今日のお昼が楽しみね~
~昼休み~
タカくんタカくん!今日はこのみのお弁当の日だよ!
うん、このみガンバったでありますよ!
えへ~・・・タカくんに褒められちゃった・・・
それじゃあ、このみが食べさせてあげるよ~。おハシは・・・
あれ?あれれ?
・・・
うわぁ~ん!タカくぅ~ん・・・
おハシ、忘れちゃったよ~!!
おわり。
ラヴリィ!ランチBOX 君のハートをつかむぞ ランチボッくすっ☆
今日はタカくんのお弁当を作る日♪隊長、このみは頑張って早起きしたであります!
ぱたたた
おはよ~おかーさん
おはよう、このみ。今日はちゃんと起きられたのね
む~、酷いよおかーさん。このみだってガンバれば早起きくらいカンタンにできるんだからね!
じゃあ毎朝ガンバってもらおうかしら?
おか~さ~ん・・・
ほらほら、このみは唐揚げを持ってきて。昨日下準備しておいたのがあるでしょう?
うん!えーと・・・あったよ、おかーさん
それじゃあそれを・・・ちょっとこのみ!電子レンジじゃないわよ!
え?違うの?
ちゃんと揚げるのよ。ほら、それはおかーさんがやるから、次はウインナーを切って
はぁい。えい・・・ちょい・・・ちょい。おかーさん、どう?
うん、ちゃんとタコさんになってるわよ
やったぁ♪
それじゃあ、卵焼きの準備をしてる間に飲物を準備して
えーと・・・紅茶?緑茶?ウーロン茶?おかーさん、どれが良いかなぁ?
私に聞かれても困っちゃうわね~。そこはこのみのセンスに任せるわ♪
う~んと、う~んと・・・じゃあ、これ!
どれ?・・・このみ・・・あなた・・・
え?ダメかなぁ?メロンソーダ・・・
・・・炭酸が抜けないようにね
うん♪
はいはい、それじゃあ焼くわよ。これはこのみでも出来るから、やってみなさいな
さー!このみ、頑張るであります!
じゅう~
あ、あれれ?おかーさぁ~ん・・・
あらら、これはきっと砂糖が多すぎたのね。こんなに入れなくて良いのよ。ほら、
これくらいでちょうど良いの。
わ~。さすがおかーさん!
・・・
えーと、お野菜に、かにクリームコロッケに、マカロニグラタン・・・わぁ、できた!
頑張ったわねこのみ。これならタカくんも喜んでくれるわよ♪
うん!えと、じゃあこれを包んで・・・完成であります!
それじゃあ朝ごはんを食べましょう。今日のお昼が楽しみね~
~昼休み~
タカくんタカくん!今日はこのみのお弁当の日だよ!
うん、このみガンバったでありますよ!
えへ~・・・タカくんに褒められちゃった・・・
それじゃあ、このみが食べさせてあげるよ~。おハシは・・・
あれ?あれれ?
・・・
うわぁ~ん!タカくぅ~ん・・・
おハシ、忘れちゃったよ~!!
おわり。
