私の自立はシンガポールの分離・独立の歴史を参考にした。

 

妹は、このままでは落ちぶれる一方だと考えたのだろう。

実家の継承者になって、箔をつけたいと考えていたようだ。

私は隠遁生活を送りたかったが、私を排除しようとする妹は脅威でしかなかった。

妹の下に付くことはできない。

追い出されるままに独立したが、自尊心はどうなるのか。

 

シンガポール建国の父、リークアンユーは、独立を発表する会見の際、はからずも泣いてしまったそうだ。一国の宰相が公の場で泣き出すほどのプレッシャー。

シンガポールが国家として生き残れるとは考えられない状況だった。

結果的には独立は成功をおさめたが、それがだめになる可能性も実はあったのだと、後に彼は自伝で述回している。

 

独立にあたって各国に独立国として認めてもらえるように打診、軍事力を持つこと、基幹となる産業を持つこと、、、リークアンユーが整えていった独立国家に必要なものは、独立した私に必要なものをイメージさせてくれた。

国家と違って、私は死ねば終わりだから、話は全く違うともいえるが。

ずっと実家にぶらさがって生きていたんだなあと、この歳になって悟った。

 

だが、妹に排除され追い落とされたあの時、シンガポールの独立の歴史とその成功は、私の心の中心になるような支えだった。