幾ら手首を切っても生きている感じがわかるだけで、死ぬのが怖いの。
血を見るだけで安心できた。
抉れた肉を見ては愛情さえある。
生きている証なの。
この跡も、愛しくてたまらない。
でも、跡を見る度どうしてこんなことしちゃったんだろうって考えて悲しくなるの。
お母さんごめんね。
そう言って傷が増えていく。
真っ暗なトンネルで先が見えなくて、出口さえわからない。
いつもそう。
一人だから。仲間なんていないんだから。
怖い人って思われているし、辛いのにだれも助けてはくれない。
こんなに悲しいのにこんなに痛いのに、誰もかれも見てみぬふり。
それがステータスみたいなところもあった。
カッターは錆びて炙ってから切るようにしてる。
痛いけどやっぱり生きている事に感謝していた。
それでも死にたくて、死ねなくて。
何度も死のうとしたの。
でも、死ねない。
勇気のない屑なの。
飛び降りもできない。怖いから。
ピアスはたくさん開けた。
痛みにも強くなった。
怖くなかった。何も怖いものなんてなかった。
男に抱かれても何も感じなくなった。
気持ちも良くなかった。
不感症なのかな。
ぽっかり開いた穴は埋めることなんて出来なかった。
それでも、切ることはやめられなかった。
同じ場所を切っては安心した。
生きている証。