「歩く肺炎」の恐怖、耐性菌大国に忍び寄る子供たちのマイコプラズマ肺炎危機
Another Deadly Outbreak?
2023年12月4日(月)
アニー・スパロウ(米マウント・サイナイ医科大学助教)
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2023/12/post-103160_1.php#goog_rewarded
(参考)日本でマイコプラズマ肺炎が流行ったのは、3.11震災の年2011年と翌年の2012年
青信号 みんなで渡って肺炎
2012/10/21
https://minaseyori.blog.fc2.com/blog-entry-2168.html
中国の新たなパンデミック耐性菌
<初夏から感染拡大が止まらない。アメリカの10倍という抗生物質漬けの中国社会がもたらす薬剤耐性菌による肺炎流行に、新型コロナの重複感染リスクが加わった>
北京をはじめとする中国の大都市の病院は今、肺炎やそれと似た症状を示す子供であふれ返っている。
これについて中国政府は、新たな病原体は見つかっておらず、季節性の風邪が例年より増えているにすぎないとしている。
そしてWHO(世界保健機関)は、新型コロナウイルス感染症のときの苦い経験を忘れたかのように、中国の説明をうのみにしている
中国の説明が全て嘘だと言うつもりはない。今回の肺炎が、新しい病原体によるものではないらしいこと(あるいはそれを隠しているのではないらしいこと)は、確かに一定の安堵をもたらしてくれる。
だが、中国ではもっと大きな脅威が拡大している恐れがある。一般的な(しかし致命的になり得る)病原菌が、抗生物質(抗菌薬)の効かない細菌に変化する事態を放置している可能性があるのだ。
SARS(重症急性呼吸器症候群)や新型コロナの発生初期に、中国政府が情報を隠蔽したことが、パンデミックの大きな一因になったことを考えると、今回も中国政府が情報を隠蔽しているのではないかと疑いたくなるのは無理もない。
4年前の新型コロナの発生初期、中国政府は新たな病原体の可能性をWHOに報告せず、報告後も空気感染は起きていないと主張した。
その嘘を貫くために、懸念を表明した医師を処分し、現場の医師たちに外国の専門家との情報交換を禁止した。
子供に効く抗生剤がない
統計の信憑性も乏しい。
中国政府は依然として新型コロナによる死者は約12万人としているが、独立した調査では拡大初期だけで200万人を超えたとの見方もある。そして今、中国の医師たちは再び箝口令を敷かれている。
このため何が起きているのか厳密には分からないが、入手できる情報から一定の推測はできる。
子供の入院が急増しているのは、マイコプラズマ肺炎のためだ。
その病原菌は1938年に発見されたが、細胞壁がなく、小さかったため、長い間ウイルスだと考えられていた(細菌は自己複製能力がある微生物だが、ウイルスにはこうした生命活動がなく、細胞を宿主とするため細菌より小さい)。
やがてマイコプラズマ肺炎菌は非定型細菌であることが明らかになったが、珍しい特徴のため、ほとんどの抗菌薬(細胞壁の合成を邪魔することで効果を発揮する)が効かない。
70年代のワクチン開発の試みは失敗に終わったが、致死率が低いこともあり、新たな開発の取り組みはないまま現在に至っている。
マイコプラズマ肺炎は学齢期の子供が市中感染する最も一般的なタイプの肺炎だが、比較的症状が軽く、入院治療が必要でないことが多いため、筆者ら小児科医の間では「歩く肺炎」と呼ばれている。
むしろRSウイルスやインフルエンザウイルスやライノウイルス(いわゆる一般的な風邪のウイルス)のほうが、肺に重い炎症を引き起こす危険性があり、乳幼児の救急外来や入院、死亡の原因となる可能性がずっと高い。
では、なぜ今、これまでとは異なるマイコプラズマ肺炎の流行が起きているのか。
確かに、今回の大流行の理由の1つは、コロナ禍の「免疫負債」かもしれない。ここ数年、世界各地でロックダウン(都市封鎖)などの防疫措置が取られてきた結果、子供たちはマイコプラズマ肺炎菌を含む病原体にさらされる機会が乏しく、十分な免疫が付いていないという説だ。
今回の中国におけるマイコプラズマ肺炎の感染拡大は初夏に始まった。それがみるみる加速して、10月初めの国慶節の大型連休明けには、国家衛生健康委員会がマイコプラズマ肺炎を監視対象に加える異例の措置を取るに至った。
同時に2つの感染症にかかると、1つだけの場合より症状が悪化することがある。ただ、子供によくある重複感染(RSウイルスとインフルエンザ)が肺炎を急増させることは、これまではなかった。だが、今年はこの組み合わせに新型コロナが加わった。
新型コロナという変数
新型コロナとマイコプラズマ肺炎に重複感染すると、特に症状が悪化する恐れがある。2020年の研究では、新型コロナで入院した成人が、同時に、あるいは短期間にマイコプラズマ肺炎に重複感染すると、致死率が大幅に高まることが報告されている。
乳幼児は免疫学的にマイコプラズマ肺炎にかかりやすい。
しかも新型コロナやインフルエンザとは異なり、マイコプラズマ肺炎にはワクチンがない。
つまりマイコプラズマ肺炎で死亡した子供がゼロとは考えにくいのに、中国は死亡数や肺外合併症といったデータを公表していない。
何より気掛かりなのは、そして中国政府が触れようとしない事実は、中国ではマイコプラズマ肺炎菌が、マクロライド系抗菌薬(8歳未満の子供に安全に使用できる唯一の抗菌薬だ)に耐性を持つ型に変異していることだ。
抗菌薬を簡単に買え、乱用が広がる中国は「耐性菌大国」(江蘇省の薬局、2021年) COSTFOTOーFUTURE PUBLISHING/GETTY IMAGES
中国政府は、肺炎の症状を見せる子供たちの親に、アジスロマイシン(最も一般的なマクロライド系抗菌薬で、マイコプラズマ肺炎の第1選択薬だ)の使用を控えるよう呼びかけるだけで、変異株については言及していない(中国では抗菌薬が医師による処方箋なしで市販されている)。
さらに懸念されるのは、今回のマイコプラズマ肺炎の流行を大きなリスクと見なさないというWHOの判断が、抗菌薬で容易に治療できるという理由に基づくことだ。
アジスロマイシン耐性のあるマイコプラズマ肺炎は世界的に報告されており、中国における耐性率は特に高い。
中国疾病対策予防センターによると、09〜12年の北京におけるマイコプラズマ肺炎のマクロライド耐性率は90~98.4%にもなる。
つまり8歳未満の子供がマイコプラズマ肺炎に感染すると、効き目のある治療法はないことになる。
WHOは中国に圧力を
今回の肺炎流行が新しい病原体によるものではないかという不安は、既に縮小しつつある。それにマイコプラズマ肺炎が死に至ることはほとんどない。だが、抗菌薬が効かない薬剤耐性(AMR)が死をもたらすことはある。
抗菌薬が効かないために命を落とす人は、年間130万人にも上る。新型コロナによる死者を上回る数字だ。この脅威と無縁の国はない。そして抗菌薬が市販されている中国は、薬剤耐性の問題で世界をリードしている。
感染症専門医なら誰しもWHOに聞きたいことだろう。
今回流行しているマイコプラズマ肺炎のマクロライド耐性率を中国当局に質問したのか。そしてその回答をリスク評価に含めたのか。成人のマイコプラズマ肺炎治療に使われる抗菌薬ドキシサイクリンやキノロンへの耐性はどうか──。
中国の沈黙は驚きではない。
1人当たりの抗菌薬消費量が(抗菌薬が大好きな)アメリカの10倍であり、抗菌薬の適正使用に向けた支援もあくまでも表面的にとどまっている。
2カ月後には数億人が大移動する春節(旧正月)がやって来るが、WHOが中国当局に移動制限を勧告する気配はない。
WHOは、中国政府の身勝手な説明をうのみにするのではなく、病原菌の変異株が広まらないよう中国に公然と圧力をかけるべきだ。
消毒剤と抗菌薬が発明されるまで、医療の世界で手術は最後の手段だった。
抗菌薬がなければ、私たちは過去150年にわたる臨床と外科における医療の進歩を失うことになる。だが10年後には、有効な抗菌薬はほとんどなくなる恐れがある。
多くが予想するような新型ウイルスではないかもしれないが、新たなパンデミックはもう到来しつつあるのだ。
From Foreign Policy Magazine
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インフルエンザ患者数今季最多を更新 “歩く肺炎”マイコプラズマ肺炎が中国・韓国で流行…理由は“コロナ禍の感染対策”か 専門家「年末年始に日本でも流行の可能性」【news23】|TBS NEWS DIG
https://www.youtube.com/watch?v=F4o_ko77wKI
重曹(4)
武漢肺炎コロナウイルスとインフル対策
2020-02-25
https://ameblo.jp/minaseyori/entry-12577734513.html
(予防の場合)
重曹小さじ1/2杯をコップ1杯の水に溶かし1日に1杯、
又は2杯飲用です。お子さんの場合は、この半分です。
(注意事項)
●重曹を溶解する水は、水道水の場合は浄水器を通した冷水を使用してください。
●食事と食事の間の空腹時に飲んで下さい。
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