コエンザイムQ10などにつきましては、全く知りませんでしたので、今回、知識を吸収する意味で以下に記します。

 

食品に含まれる特殊栄養成分と病気との関係
https://murakamiclinic-fukuoka.com/kenkou.html
久留米大学小児外科の田中芳明先生


(前段省略)
色々な病気をもつ患者さんの免疫力を特殊栄養素材を用いて増強させる「栄養管理」が注目されるようになってきました。

 

この特殊栄養素材には、(1)抗炎症作用,抗血栓作用(血液が固まりにくくする作用)などを有するn-3脂肪酸、

 

(2)便秘の改善,糖尿病や高脂血症の補助療法,腸内細菌叢(良い大腸菌と悪い大腸菌のバランス)の改善によるからだの免疫力の改善効果があるといわれる食物繊維、

 

(3)免疫力を強めるといわれているアルギニンや核酸,また,からだが弱っている時、小腸粘膜や免疫の働きをもつ細胞の主なエネルギー源となり、障害を受けた腸粘膜の修復効果を有し、さらに細菌感染を防いでくれるグルタミンなどがあります。また、

 

(4)フリーラジカル※を除去する酵素に必要な亜鉛、銅、マンガン、セレン、クロムなどの微量元素、

 

(5)直接的に抗酸化作用を有するカテキンやビタミンC、E、

 

(6)腸管の成長因子となる成長ホルモンやインスリン様成長因子など、多くの栄養素材がその有効性について報告されています。


※注釈 フリーラジカルについて:
代謝のとき発生する酸素フリーラジカルがDNAやたん白質などを酸化し、不可逆的な障害を与えて種々の疾患を引き起こしたり老化を起こすという説(「フリーラジカル説」)などが唱えられています。フリーラジカル(活性酸素)の標的部位と各疾患の関係を下記の表に示します(久留米大学小児外科 田中芳明先生提供)。


フリーラジカル(活性酸素)は食物に含まれていたり、生体内でも発生したりしますが、これらは細胞膜を構成する脂質の酸化反応を引き起こし、動脈硬化の原因になります(特に癌抑制遺伝子のDNAを障害)。

 

また、DNAとフリーラジカル(活性酸素)が反応するとがんの原因にもなります。

 

生体内の酵素にはフリーラジカルを捕捉して分解するものがあり、また、食品のなかにはフリーラジカルと反応して無害化する物質もあります。

 

例えば、ぶどうやワインに含まれるポリフェノールはフリーラジカルを不活性なフリーラジカルに変化させる作用を有しています。


ポリフェノールはカテキン(緑茶に多く含まれる)、フラボノイド、タンニンなど植物中に広く分布しています。これらは、化学的にはフリーラジカルを捕捉する機能があり、酸化防止剤としてよく知られています。

 

最近赤ワインやチョコレートが動脈硬化やがんの予防に効果のある食品として人気があるのは、ブドウの種子や果皮、あるいはカカオ豆がいろいろなポリフェノールを含み、これが活性酸素(フリーラジカルの一種)によるコレステロールの酸化を抑制したり、発がんに関与する酵素を阻害するためと考えられていることによります。


また、コエンザイムQ10(CoQ10)について説明します。CoQ10は本邦では心疾患の医薬品用原薬として用いられてきましたが,2001年4月厚生労働省の「食薬区分」変更により食品としての使用が認められました。

 

CoQ10はミトコンドリア,ミクロソーム,ゴルジ体に局在し,とくにミトコンドリア内で電子伝達系において重要な役割を果たすビタミン様物質で,エネルギー産生を促進させる作用があります。

CoQ10のもうひとつの重要な作用は抗酸化作用です。ビタミンEは一般に「最後の砦」と呼ばれるほど重要なビタミンですが、そのビタミンEも活性酸素・フリーラジカルを消去するために働くと酸化型ビタミンEとなり、フリーラジカルと同様に生体に悪影響を及ぼします。CoQ10にはこれを還元型に戻す作用があることが明らかにされています。


ミトコンドリア内での活性酸素産生により、連鎖的にラジカル反応が起こりますが、ビタミンEはそのラジカル連鎖反応の成長反応を抑制する作用があります。一方,CoQ10は開始反応および成長反応も阻止します。そうした作用からCoQ10の抗酸化力は、実はビタミンEよりも強いのではないかといわれています。

ここでは、n-3系脂肪酸、食物繊維、微量元素、CoQ10(コエンザイムQ10)、若返り栄養素(脳・目・皮膚のアンチアイジング:Antiaging)の臨床効果について解説 ーーーー(以下省略)