(前回記事)
心の履歴(149)
人の豹変の契機とは
2009/06/10

ttps://ameblo.jp/minaseyori/entry-12747010074.html

 

(今回記事)

心の履歴(150-1) 

重過ぎた課長職
2009/06/15 著

突然のこと。

小川課長が辞表を提出。

寝耳に水。
表向きは、実家の母親の体調が悪く、介護の為。
と言っても彼は次男。しかも独身。

実は、彼は森広支店長に『平社員への降格』と『関西への転勤』を願い出たのです。


が、許可されるものではない。

前代未聞。

昇格させた者の責任もある。

彼のBB第二課は数字が上がる訳は無い。

都内の担当区は我が社の弱いエリア。

彼の営業力は月並みでリーダーシップをとれない。

数字の上らない部下が複数。

それに抜けた者がいない。


みじめな実績が毎月続く。

月初の会議でボロンチョ。

気持ちは分かる。
京都人の彼は、東京市場と課長職にすっかり自信喪失。

我等も何とか慰留をと諭(さと)したが成らず。
已む無し。私が幹事で送別会を催すことにしました。
参加者は有志のみで会費制。

場所は例の近所の喫茶店の二階のレストラン借りきり。

森広支店長に呼ばれました。
「水無瀬君、小川君の送別会をするんだって? 辞めていく者の送別会って、何て馬鹿な事をするんだ! 君は!」

「支店長、彼の場合は、生え抜き入社で在籍十年ですよ。事情はどうであれ、悪いことをした訳ではないので、ちゃんと見送るのが筋と思います」

傍でこのやりとりを聞いていた金魚の糞の中江君、部屋から出たら追ってきました。
「水無瀬よ!君は支店長の嫌がる事をまたするのかい?」
「あぁ~、小川はワシの友達でもあるしなぁ」

「またまた昇給・昇進ストップにボーナスカットの査定をされるぞ!」
「分かっている!そんなことを恐れて仕事が出来るか!」
「あはは!可愛そうな水無瀬よ!」

送別会には仕事でやむを得ない者二名を除いて全員出席。
事前の雰囲気を察してか、送別会に反対した森広支店長が真っ先に会場にいるではありませんか。

送別会は私の挨拶で始めました。
「(途中省略)小川課長はこれから新たに勤務する会社では到底勤まりませんから、二年後、或いは三年後に必ずうちの会社に戻って来ます。ですから、今日は彼の修業の期間限定版・旅立ちの為の壮行会です」

それから半年後、全員昇給の通知を受け取りました。
金魚の糞が私に「何ぼ上ったか見せてくれ」と言うので通知書を見せました。
「あっはっは! こりゃ傑作! 水無瀬よ、言っただろう! 支店長に反抗するからだよ。」
と言って彼は自分の通知書を私に見せました。

またまた愕然!!

彼の昇給額は2万円弱。

私のは9千円台。


他方、小川君が会社を辞めてから三年後、転職した会社を辞め、ひっそりと子会社に再就職していました。
一生平社員を条件に。

 

つづく

 

 

 

心の履歴30代①入社編:目次
2022-04-08

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