罪の声 塩田武士

2016年8月2日発行

 

「これは、自分の声だ」
京都でテーラーを営む曽根俊也。

自宅で見つけた古いカセットテープを再生すると、幼いころの自分の声が。

それはかつて、日本を震撼させた脅迫事件に使われた男児の声と、まったく同じものだった。

一方、大日新聞の記者、阿久津英士も、この未解決事件を追い始め--。
圧倒的リアリティで衝撃の「真実」を捉えた傑作。

 

逃げ続けることが、人生だった。
その運命に、必ず涙する。

 

 
かつて日本で起こった大事件「グリコ森永事件」をモデルに書かれている作品です。
 
31年前の未解決事件を追う新聞記者と、自宅から事件の手帳と幼い頃の自分の声にテープを見つけたテーラーの男の二人の視点で描かれます。
事件に使われた子供たちの声。
子供たちの現在は……。
 
犯人たちに振り回された子供たちの現在が壮絶です。
 
重厚感のある長編作品。
気づけば夢中で読み進めていました。
 
え?これ、もうグリコ森永の真実では!?
と、思ってしまうくらいです。