読み終わりましたが……
いい意味で「なんじゃこりゃ……」と思ったのが正直な感想。
ストーリーとしてはシンプルなんだけど、物凄く深い小説という印象。
青春群像劇としても楽しめるし
恋愛小説としても読めない訳ではないし
「提供者」という独自の設定に、人生について深く考えてもいい。
訳者の方のセンスもあるだろうけど
心理描写が絶妙。
「どういう所が絶妙なの?」って聞かれても上手く言葉に出来ないけど、とにかく絶妙と思ったんだから仕方ない。
生まれながらにして自分が「臓器を第三者に提供するためだけの存在」って、いったいどんな気持ちなんだろうか……
物語の登場人物は皆、その運命を割とすんなりと受け入れてる様な気がしたけど、現実にそんな人がいたとしたら、穏やかな気持ちでいられるだろうか?
とかなんとか色々と考えてしまう。
でもキャシーが枕を抱きしめながら踊っているシーンは、やたらと印象的だった。
俺に絵の才能があれば、真っ白なキャンバスにスケッチしてただろうなぁ。その位、不思議とハッキリイメージ出来る。
読む前の俺みたいに
「流行ってるからって読むのはちょっと……」と
思ってる人は、さっさと読んでしまう事をオススメします(笑)