加齢なる一族、七月大歌舞伎夜の部に行きました。
一、表裏太閤記
戦国の世、 知略と行動力に優れた秀吉(松本幸四郎)は、天下統一に邁進する織田信長(坂東彦三郎)に仕えていた。
信長軍が大悪人・松永弾正(市川中車)を包囲すると、弾正は実子・明智光秀(尾上松也)に御家再興を託し、自ら放った炎に包まれる。
復讐に燃える光秀は、本能寺で信長から耐え難い屈辱を受けると、謀略を巡らせて信長の野望を打ち砕く。
信長の嫡子・織田信忠(坂巳之助)は光秀の妹・お通(尾上右近)との間に三法師という男子を設けていたが、酒宴の最中、天狗に化けた軍勢に囲まれてしまい…。
43年振りの再演なんだそうです。
元々は、昼夜の通しだったそうで、それを無理やり短くまとめた感は、否めません。
これは、猿之助さんと幸四郎さんで、上演しようとしていた?と勘繰ってしまいます。
それにしても、猿之助さんは、何と愚かな事をしたんでしょう!
才能も人気もあったのに…。
この演目の中では、二幕目の高松城の場面が良いです。
幸四郎さん演じる父の鈴木喜多頭重成は、親の首と密書を持って、和睦を勝ち取れと、染五郎さん演じる息子の孫市に、悲しく辛い選択を迫ります。
戦は、誰にとっても切なく虚しいですね…。
母は、笑也さん、祖母は、笑三郎さんという大好きな配役もあって、二幕目が好みです。
宙乗り、本水、大立ち回りとスケールの大きなエンターテイメント。
最後の秀吉の夢だったという夢オチは、私にはイマイチです。
最後、華やかな舞踊で終わりますが、宝塚のお芝居の後レビューショーでしめるのと同じ感じかしら?
若手の踊りを眺めながら、歌舞伎界も新陳代謝が行われていると思いました。