加齢なる一族、六月大歌舞伎昼の部に行きました〜

 

 一、上州土産百両首

 

幼馴染の正太郎(中村獅童)と牙次郎(尾上菊之助)。

二人は偶然の再会を喜びますが、互いの懐から財布を抜き取ってすりを働いてしまったことを嘆きます。

互いに堅気となって真面目に生きようと誓い合うと、二人は美しい月夜に照らされた浅草・聖天様の森で10年後の再会を約束するのでした…。

 

 

幼馴染は、大人になって再会すると、お互いにすりでした…。

二人は真面目に生きて、10年後に再会しようと誓い合って、共に真面目に生きてきました。

真面目に貯めたお金を牙次郎に渡したくて、人を殺めてしまう正太郎を獅童さんが演じました。

時に優しく、時に切なく…。

菊之助さんが、ドジで生き方が下手な牙次郎です。

普段の菊之助さんとは、任の違う役どころ。

菊五郎襲名を考えるとこういう役も演じないといけないのかしら?

菊之助さんは、品のある役が任だと思うので、無理に役の幅を広げなくてもと思ってしまいました…。

 

錦之介さんが、心根の優しい兄貴分、隼人さんが、小狡い弟分を好演。

 

 

 

ニ、義経千本桜

 

源平合戦で功績を上げながらも、兄の頼朝から謀反の疑いをかけられ、都落ちする源義経(中村又五郎)。

義経と家臣の鷲尾三郎(市川染五郎)が道中で出会った白拍子(孝太郎・米吉・児太郎・左近)と傀儡師(中村種之助)は、義経主従の旅の慰めに芸を披露しますが、その正体は…。

 

豪華な舞踊です。

白拍子が綺麗だなあと観ていました。左近君の可愛さが目を惹きます。

上州土産百両首が、悲しいお話だったので、気分転換になりました。

 

 

 

 

 

 

 三、妹背山婦女庭訓

 

 

 謀略を巡らし権勢を誇る蘇我入鹿の三笠山御殿へ、入鹿の妹の橘姫(中村七之助)が戻ってきます。橘姫の振袖に赤い糸をつけて後を追いかけて来た恋人の求女(中村萬壽)が現れると、二人は御殿の中へ…。

そこへ、求女を追ってやって来たのは、杉酒屋の娘お三輪(中村時蔵)。

恋い慕う求女の裾につけた苧環の白い糸が切れてしまい途方に暮れるお三輪は、通りかかった豆腐買おむら(片岡仁左衛門)にその行方を尋ねます。

すると、これから橘姫と求女が祝言を挙げるとのこと。

御殿の中へ急ぐお三輪でしたが、橘姫の官女に弄ばれた挙句、聞こえてきたのは祝言を祝う声。

嫉妬に狂い、凄まじい形相となったお三輪が中へ押し入ろうとすると、漁師鱶七(尾上松緑)が立ちはだかり…。

 

 

時蔵襲名披露は、妹背山女庭訓のお三輪ちゃん。

個人的にこの演目が好きで、たくさんのお三輪ちゃんを観てきました。

古風で優等生タイプの時蔵さんに、お三輪ちゃんは、ぴったりでした。

緑の着物が似合って可愛い♡

 

時蔵さんと玉三郎さんの雑誌(和楽)の対談で、玉三郎さんは、後半の嫉妬に狂うお三輪が大事と話されていました。

ですから、今回この場面をとても注目しました。

求女に恋い焦がれるからの嫉妬ですものね~。

どれだけ求女が好きかの裏返しですから、お三輪の立ち上る嫉妬の炎が見えましたよ。

 

いじめる官女を中村屋と播磨屋のスターが華を添えます。

 

豆腐買おむらが仁左衛門さんで梅枝さんお手を引いて登場。

仁左衛門さんが亡くなられた秀太郎さんに似ていることに、ちょっと驚きました!

そして、小さな梅枝さんの可愛いこと!

子供らしく、それでいて、キチンとしていて良い子だわ〜。次々と子供たちが舞台にでてくるので、成長を見守る楽しみが増えます。

仁左衛門さん時蔵さん梅枝さんの三人で劇中の口上でした。

 

萬壽さんの求女は、品があり、七之助さんの橘姫が美しかった~。松緑さんの漁師鱶七は、スケールが大きくて良かったです。

 

千秋楽でしたから、劇場中が、時蔵さんおめでとう〜という雰囲気でした。

 来年は菊五郎襲名です。

世代交代が進んでいるのを感じます。

私も年を取ったわね…。

 

 

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