加齢なる一族(友人、私)、歌舞伎町大歌舞伎に行きました。

 

一、正札附根元草摺

  流星

 

 

正札附根元草摺

 

工藤左衛門祐経に父を討たれた曽我五郎(中村虎之介)は、その仇を討つため鎧を手にして工藤の館へ向かおうとしますが、小林朝比奈の妹の舞鶴(中村鶴松)に止められてしまいます。女でありながらも強力の持ち主である舞鶴は、五郎と鎧の草摺を引き合い、行く手を阻みます。
 

 

曽我五郎は、カッコよくて男らしい若者、そして舞鶴は、美しさと強さを兼ね備えた女性で、二人が鎧を引き合う舞踊です。

そして二人の衣裳は、早変わりで片側が赤と白の市松模様になるんです。

おめでたい雰囲気と、鮮やかな配色!

この衣裳、素晴らしいですよね。

江戸時代、お正月には必ず曽我物を上演していたそうですが、絵になりますよね。

虎之助さんと鶴松さんの共演は、背格好がピッタリで、年齢も近そうだし、とても良いコンビです。

これからの二人のコンビが、楽しみになります。

 

 

流星

 

 

七夕の夜、年に一度しか会うことのできない牽牛(中村勘太郎)と織女(中村長三郎)が今宵の逢瀬を喜んでいます。ところが、その大事なひとときを過ごしている二人のところへ、流星(中村勘九郎)が長屋に住む雷夫婦が喧嘩を始めたと注進にやってきます。
 雷の亭主が端唄の女師匠の家に落ちて以来、聞き覚えた端唄ばかり唄うので、女房が腹を立てて喧嘩が始まり、やがて、子の雷、姑の雷が止めに入っての大騒ぎ。そのうち、姑が外れた入れ歯を飲み込んだことで、一同大笑いとなり喧嘩が収まったことを、仕方噺を絡めて踊って見せます。
 

 

まあ、可愛い牽牛と織姫だこと。

兄弟の身長差に驚きました。勘太郎くん、随分背が伸びましたね。また、長三郎君が丸顔で可愛らしい。

一生懸命踊る姿、何とも愛らしい。

 

勘九郎さんの流星が、出てきてからは、ひとりで四役踊ってみせるので、それが面白いの。

本当に身体能力の高さに感心します。膝を怪我していたようで、痛そうでハラハラ。

もちろん、痛そうな素振りは、全くないのですけど、それがまた心配になりました…。

歌舞伎は、難しくて分からない?こういう演目を観たら、歌舞伎に対するイメージがガラッと変わると思いますよ。

 

 

 

二、福叶神恋噺

 

江戸の裏長屋に住む大工の辰五郎(中村虎之介)は悪い人間ではないのですが、ついつい人に甘えてしまうところがあります。

酒ばかり飲んで、働きに行こうとしないで、昼間から寝ていると、その枕元に不思議な女(中村七之助)が現れます。女は「わたしは貧乏神だ」と名のり、意外なことに「もっと真面目に働きなさい」と説教をしはじめます。

辰五郎は貧乏神の要望に応えて働くことにしますが長続きはせず、三日坊主ですぐに元のなまけ者に戻ってしまいます。

「このままでは家賃も払えなくなる」と心配した貧乏神は、手内職を始めます。

働き者の貧乏神は長屋の人たちからも「おびんちゃん」と呼ばれて人気者になり、みんなと仲良く暮らすようになり…。

 

天守物語で図書様を演じてから、虎之助さん一皮むけた感じです。

甘えん坊の怠け者の辰五郎をお茶目に演じています。

貧乏神のおびんちゃんは、七之助さん。

精一杯の虎之助さんとは、ちょっと格が違うところが、年上の世話女房らしくて良いのかもしれませんね。

 

元々は、落語なんだそうで、明るくて楽しい物語。

落語から歌舞伎になった演目、色々ありますからね。

 

 歌舞伎町という町が、若者の町だから、選んだ上演演目なんでしょうね。

初めて歌舞伎を観る人にも、おススメ。

 

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