秀山祭九月大歌舞伎の昼の部に行きました~。



昼の部

一、双蝶々曲輪日記




 新清水の料亭浮無瀬。

藤屋の遊女吾妻(中村芝雀)には豪商山崎屋の若旦那与五郎(中村錦之介)、都(中村魁春)には元は侍で今は笛売りの南与兵衛(中村梅玉)という恋人がそれぞれいます。

しかし、横恋慕する侍が吾妻を身請けすると聞いた与五郎は、店の金に手をつけてしまいます。

与五郎は店の手代の計略にかかり盗人の汚名を着せられてしまいますが、その危機を与兵衛が救います。
腕に覚えのある与兵衛は悪人たちを打ち負かしますが、はずみで人を殺してしまい…。
 

双蝶々曲輪日記といえば、「引窓」ですが、この「新清水浮無瀬」は、はじめて観ました・・・。

二枚目の若団那が錦之介さん、美しい遊女が芝雀さん、しっかり者のお姉さん遊女が魁春さんとキャスティングが良いですね~。

そして、笛売りの与兵衛が梅玉さん。傘に小鳥が付いていて可愛らしいの( ´艸`)

与兵衛がラストシーンの傘をさして飛び降りるところが、見どころなんだけど、
ふわふわ飛んでるところが、おっとりしていて梅玉さんらしくてね・・・。





二、新歌舞伎十八番の内 紅葉狩




 紅葉が見事に美しい信濃国戸隠山。

平維茂(尾上松緑)は、従者を伴い紅葉狩に訪れると、ひと足先に宴を催している更科姫(市川染五郎)の一行に誘われて、酒を酌み交わします。

更科姫が舞ううちに維茂はまどろみ、姫たちは姿を消します。そこに山神(松本金太郎)が現れ、更科姫は実はこの山に棲む鬼女であると警告します。

目覚めた維茂は、鬼女の正体を顕した更科姫に立ち向かい、松の大木の上まで追いつめ…。


燃えるような赤い紅葉が美しいです。
染五郎さんの更科姫の美形なこと。やっぱり美人のお母様似なんだわと納得。


大人しそうな印象の金太郎君ですが、精いっぱい踊る姿に、温かい拍手です!
やっぱり舞台から、ちゃんと伝わってきますもの・・・・。

後半、更科姫は、本性をあらわし鬼女になるのですが、先日の阿弖流為を思い出すぐらい激しかったです。

歌舞伎の舞踊は、後半本性をあらわすというものが多いですが、そうした方が、盛り上がりますものね。

でも、どうして鬼女になっちゃうのかしら。物悲しい過去がありそう・・・。
 






三、競伊勢物語


大和国春日野に住む小由(中村東蔵)の娘信夫(尾上菊之助)は、玉水渕で惟喬親王方に奪われていた神鏡を手に入れたのも、夫の豆四郎(市川染五郎)が惟仁親王方の旧臣の子であり、忠義を立てさせたい一心からのことでした。

一方、紀有常(中村吉右衛門)が小由の住居を訪れ、信夫を返してほしいと申し入れますが拒まれます。
信夫は実は有常の娘で、訳あって小由に託していたのです

有常が今、自分の娘として育てている井筒姫は、実は先帝の子であり、在原業平と深い仲。惟喬親王はそうとは知らずに井筒姫を所望するので、二人を助けるために、有常は姿形のよく似た信夫と豆四郎に自らの思いを伝え…。


 
競伊勢物語、こちらもはじめて観ました。

物言いたげに、去っていく有常に苦悩が見えました。こういうところ吉右衛門さんは、上手いな~と感心します。

東蔵さん演じる小由、温かくて慈愛に満ちた母です。
菊之助さん演じる信夫との二人の場面、涙・涙です・・・。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。

子供を身代わりにというのも歌舞伎では鉄板ですが、わかっていてもグッときちゃいます(;^_^A


秀山祭に菊之助さんが出演なんですね・・・。
やがて、菊之助さんのお子さんも、な~んていうこともそのうちあるのかもね( ´艸`)