加齢なる一族(義姉、私)、七月大歌舞伎・昼の部を観に行きました~音譜

昼の部

一、正札附根元草摺




 曽我五郎(市川右近)は父の仇を討つために、鎧を小脇に抱えて工藤の館へ駆け付けようとしています。
今はその機会ではないと五郎を止めようとするのは小林朝比奈の妹舞鶴(市川笑三郎)。
いずれも力自慢の二人は鎧の草摺(裾の部分)を引き合います。
 


また、今月も曽我ものです・・・。本当に曽我兄弟は人気があるのね!

緋毛氈の二畳台に乗った曽我五郎と舞鶴が登場するだけで、華やか~歌舞伎っぽいとウキウキします。
舞鶴さんは、頭に力紙をつけ、なかなか強そう(o^-')b
五郎は、逆さ沢瀉の鎧を持っていますが、新しい歌舞伎座に初めて出られる澤瀉屋さんと関係があるのかしら?
とにかく、新しい歌舞伎座に出られるのだから、嬉しい~。
右近さんも頑張ってきた甲斐がありますね('-^*)/

でも猿之助さんは・・・・?

五郎と舞鶴の力比べは、舞鶴のクドキに変わります。あら~赤い市松の長襦袢色っぽいラブラブ

やっぱり歌舞伎の赤は、素敵ですねアップ
最期は、草摺を引きあって幕・・・。

絵の様なお二人でした~( ´艸`)




二、通し狂言 夏祭浪花鑑




 和泉国浜田藩家臣、玉島兵太夫の子息磯之丞(市川門之助)は、堺お鯛茶屋で恋仲の傾城琴浦(尾上右近)と遊蕩にふけっています。
そこへ、放蕩の磯之丞を連れ戻して欲しいと頼まれた魚屋の団七九郎兵衛女房お梶(上村吉弥)がやって来て、一計をめぐらします。
 団七(市川海老蔵)は、喧嘩の罪で入牢しましたが、玉島兵太夫の取りなしで出牢を許されます。
住吉鳥居前で、団七は俠客の釣舟三婦と再会すると、そこに磯之丞と琴浦が逃れてきます。
団七はその危急を救おうとしますが、一寸徳兵衛(市川猿弥)が立ちはだかり、争う内にお梶の仲裁によって、互いの主筋が玉島兵太夫であるとわかると、義兄弟の仲になるのでした。

 誤って人殺しを犯した磯之丞は、琴浦と共に三婦(市川左團次)の家に匿われていました。
そこへ徳兵衛の女房お辰(坂東玉三郎)が訪れ、磯之丞を預かることを申し出ます。
三婦は、お辰の若く美しい顔を見て、間違いがあってはと難色を示しますが、お辰は意外な行動を取ります。
 一方、金に目がくらんだ団七の舅三河屋義平次(市川中車)は、琴浦を連れ出します。この悪事を知った団七は義平次を追いかけ…。


夏祭浪花鑑は、人気作品だから、海老蔵さんの団七を観るのも二度目。
髪結床から現れた、団七は、美しい!
あ~、姿が良い!って武器ね。

猿弥さんが徳兵衛で、お辰が玉三郎さん、義平次が中車さんと配役が変わると、それはまた、楽しい~。

徳兵衛は、良いお役で、猿弥さん。頑張っているといいことありますね('-^*)/
仁左衛門さん贔屓の私は、、以前観た仁左衛門さんの徳兵衛がちらついちゃうんだけど・・・・。

お辰は、美しい顔を醜くしてまでも覚悟をみせるカッコイイ役!
玉三郎さんには、傾城とかお姫様とか圧倒的な美しさを求められる役を演じてもらいたいのです。
義のあるカッコイイ役は任では無い様な・・・。
でも玉三郎さんがどう演じるかも楽しみでした。

三婦が、間違いがおこったらと心配するほどのお辰の美貌は、玉三郎さんなら説得力ありました。

玉三郎さんは、お辰を強い女には演じませんでした・・・。

勘九郎さんや福助さんは、もっと濃く演じていましたので、楚々とした美しいお辰が、覚悟をみせるのが意外でもあり、また新鮮でもありました。
なるほど、こういうお辰もありですね。好みは分かれるでしょうけど・・・。

醜くなったお辰に旦那さんに嫌われないかと聞くと、お辰は、私のここに惚れたのよと胸をたたきます(^∇^)
もちろん徳兵衛さんは、お辰さんのハートにも惚れたんでしょけど、美しいお辰さんがそういうからカッコイイ!

お辰さんの出番は、ちょっとだけど堪能しました。

義平次と言えば、笹野さんのイメージが強烈でしたが、中車さんも熱演!というか怪演?
中車さんって、あんなに痩せていて細いのね。身体が本当におじいさんに見えて!

あれ?と思ったのは、草履を海老蔵さん演じる団七の顔から凄く離していたこと・・・。
海老蔵さんに遠慮したのでしょうか?

長町裏の場面は、見ごたえがある場面で、お二人が熱演だったので、ちょっと違和感ありました。


夏祭浪花鑑と言えば、私の中では勘三郎さんです。
初めて観た配役は、凄く印象に残りますし、勘三郎さんという人が、脳裏に残る人物を観せてくれたからでしょう・・・。
もう勘三郎さんの団七を観れないのかと思うと寂しいですね(ノ_-。)