なんだか回文なタイトルだな
と、書いていて思いました。
ちなみにトクサギと読みます。
トクサってご存知でしょうか?
なんかツクシの化け物みたいな変な植物です。
けっこうお庭に植えてるところもありますし。
でも、一度植えると増えて大変とか・・・。
とくさかるきそのあさ衣袖ぬれて みがかぬ露も玉と置けり
なんて和歌もありますし、
工芸品の日本古来のデザインにはウサギにトクサなんていう構図もあったりして以外と身近な植物だったのかも知れないです。
そんなトクサですがこれが、なんとヤスリ(鑢)になるって知ってますか?
じつは、トクサの茎の皮にはガラス質のザラザラがあって、そのザラザラなトクサの皮を使って作ったヤスリを木賊木って言うんです。
櫛職人や塗師には今でもこの木賊木を使って作業を行っている方がいるそうです。
これを使って爪の手入れをする人もいるとか。去年の秋にヤスリ用にトクサを大量に頂いたので、煮て乾燥させて木賊木の材料を作りました。
こんなふうに煮て乾燥させた乾燥トクサはカサカサになって色も白っぽくなってます。
これを一度水につけて柔らかくして、縦に切れ目を入れたものの内側の肉の部分を綺麗に取り除き、
皮だけにします。
そうすると・・・
こうして加工した皮を
木の板に皮の筋が横になるように貼り付けて
これが木賊木です。
用途によって貼り付ける板の形を変えることで、丸ヤスリにも平ヤスリにもなりますし、紙に貼り付ければ紙ヤスリにだってなるんです。
皮はたくさん作ってこうしておけばいつでも使えます。(乾くと丸まってしまうので束ねます。)
乾燥させただけの材料がほんとにたくさんあるので、体験館で木工をするときは是非作って使ってみてください。