ショパンの蒼さ | 個人的倉庫by源ガク

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ショパンは若くして亡くなったらしい。
彼の短い生涯に生み出された数々の作品は、どれも人間味がある。
相当の時間、ピアノの前に座っていたにも関わらず、ある人が弾くと情熱的に泥臭く、ある人が弾くと悟りきったかのように神聖に響く。
いったいなぜ、ピアノの前に座り音と会話し感情を再現するだけで、これ程までに豊かな楽曲が産み出されるのか?大いなる謎である。
以前、NHKFMで流れてた、N響の定期コンサートでショパンのピアノ協奏曲がかかり、解説の人が「蒼白い」と言っていたのを覚えている。
僕は、マリア・ジョアン・ピレシュの演奏するショパンのノクターンのCDを持っているのだが、確かに蒼白く、なおかつ透明だ。
空は蒼白く、なおかつ透明だ。
ふむ。
つまり自由なのだ。
その自由度は、明らかに苦悩や思い悩みを含んでいる。であるから、ときに陰影を濃くしたり、全く陽気にとは行かないのだけれど、蒼が重なり透明になる。濃い蒼になるのではなく、重なるごとに透明感が増す、人の感情の当たり前に向かい着地する、安心感のようなものを含んでいる蒼なのだ。
だから僕は、無人島に1枚CDを持っていくだろう。